某日のブログから 2016年 みなが昨日の仕事に忙しい

某日のブログから

あるところで、一般公開していないブログを書いていました。週一くらいの更新です。一昨年度のブログの中から、ある日の記事を再掲していきます。

みなが昨日の仕事に忙しい

今週は、月曜日が更別村で人事評価研修、火曜日は芽室町で人事評価研修、水曜日と木曜日は小樽市で人事評価研修、金曜日は苫小牧の福祉施設で内部講師養成研修、金曜日の研修終了後東京へ行き、土曜日は東京の事務所で打ち合わせです。今週はほとんど人事評価の研修です。今週日曜日は暴風雪で、JRが運休になり、バスの空きもなく、タクシーで札幌から帯広まで移動しました。

人事評価制度の本格実施が迫っている中、この時期になって、人事評価の研修が増えてきました。来年度も多くなると思われます。

人事評評価研修を行っているときに、必ずするお話があります。それは、人事評価は管理監督職の大切な仕事だということです。忙しいから評価できない、忙しいから面談できないというのは、本末転倒だということです。人事評価は、職員の成長を支援する、大事なマネジメント活動です。

しかし、実際に忙しいのも確かでしょう。職員の減少、予算の減少、職務の増大で、新しいことに取り組む暇もないのが実情ではないでしょうか。

生産性を向上させるためには、何を行うべきかを明確にする必要があります。

手っ取り早く、効果的に生産性を向上させる方法は、何を行うべきかを明らかにすることである。そして、行う必要のない仕事をやめることである。
Peter F. Drucker

行う必要のない仕事をやめる、行う必要のない事業を止める必要があります。事業の廃棄です。

しかし事業の廃棄は、口で言うほど簡単ではありません。事業廃棄の担当者が不明確であり、また、事業廃棄の基準も明確ではありません。民間企業と違って地方自治体の場合は、廃棄の基準がどうしても曖昧になってしまいます。絶対的な基準を立てることが難しいのです。

民間企業の場合は、事業を取り巻く利害関係者(ステークホルダー)はそれほど多くなく、顧客を絞り込むことは難しくなく、利益という明確な基準がありますので、事業の廃棄は難しいものではありません。

しかし地方自治体は、利害関係者が複雑で、絞り込みも難しく、廃棄の明確な基準も立てにくくなっています。絶対的な基準を立てることは困難です。どの事業も、必ず誰かのためにはなっているからです。事業廃棄の基準は、相対的なものにしかなりません。他の事業と比較してどうかということを基準にして、事業の廃棄を考えます。

事業の廃棄を進めるには、事業廃棄のプロセス自体を組織の中に持っている必要があります。

公的機関とは、本来成果をあげればあげるほど仕事がなくなるものである。終わったものを捨てなければ、後は邪魔な存在になるだけである。公的機関が成果を上げるためには、組織のなかに廃棄のプロセスを組み込んでおかなければならない。
Peter F. Drucker

ドラッカーの言うように、組織の中に廃棄のプロセスを組み込んでおく必要があります。このプロセスが組織にないことが、事業の廃棄が進まない大きな原因です。

事業の廃棄が進まないと、次のようなことが起きてきます。

アイデアが不足している組織はない。創造力が問題なのではない。せっかくのよいアイデアを実現すべく仕事をしている組織が少ないことが問題なのである。みなが昨日の仕事に忙しい。
Peter F. Drucker

昨日の仕事に忙しくならないように、止めるという選択肢も積極的に考える必要があります。

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