某日のブログから 2016年 変化が新しいものを生み出す機会となる

某日のブログから

あるところで、一般公開していないブログを書いていました。週一くらいの更新です。一昨年度のブログの中から、ある日の記事を再掲していきます。

変化が新しいものを生み出す機会となる

今週は、月曜日と火曜日は北見市で政策形成研修、水曜日は登別市で再任用職員研修、木曜日は斜里町へ移動し、金曜日は斜里町でファシリテーション研修です。日曜日女満別空港行の飛行機が欠航になり、JRでの移動になりました。昨年から悪天候で、移動が困難になる場面が多くなってきています。気象情報に注意しながら、移動方法も変えていかなければなりません。

2日間の政策形成研修では、政策形成の基本と、考え方を中心に学びます。新規事業創造は、自分たちがやりたいことをやるのではなく、真に必要なことを行っていくことが大切です。そのためには、私たちを取巻く外部環境の変化に敏感になることが求められます。特に、小さな変化を見逃さないことが重要です。日常生活の中にある変化を見つめ、その変化の意味を考え、その意味の中から機会(チャンス)を探し出していきます。

変化をとらえるために、事業領域を取り巻く外部環境の変化を洗い出すことから始めます。外部環境の変化は、事業領域を拡大する機会を与えますが、逆に領域の縮小・廃止などの脅威をもたらすこともあります。

外部環境については、機会(Opportunities)と脅威(Threats)の観点から分析する必要があります。事業領域の将来に影響を与える環境要因を識別しながら、発生が予想される具体的な事柄を洗い出し、それらを機会と脅威の観点から分析していきます。

事業領域に影響を与える環境要因とは、以下のようなものです。

競争環境:(近隣自治体の動向、同規模自治体の動向、先進自治体の動向、競争関係にある民間企業の動向など)
技術環境:(関連技術の動向、代替技術の出現可能性、技術に関係する制度の動向など)
経済環境:(国内経済の景気動向、主要諸外国の経済動向、主要な資源の価格動向、為替レートなど)
政治環境:(国や都道府県の政策や規制の動向、主要諸外国の対外政策、内外の政治的対立や紛争など)
社会環境:(高齢化の進展や人口の動態、 社会のトレンドや価値観など)
自然環境:(公害問題、自然災害、地球レベルでの環境問題の動向など)

具体的には、競争環境、技術環境、経済環境、政治環境、社会環境、自然環境ごとに起きている変化を洗い出し、そこから今後起こりそうなことを考え、機会と脅威に分類し、分析し、発生が予想される事柄を考えていきます。

例として、高齢者生活支援の事業領域に起きている変化を考えてみます。

競争環境では民間企業の参入増加、技術環境では介護用品の開発、経済環境では貯蓄増・消費活動停滞、政治環境では法令の整備・事業見直し、社会環境ではボランティア活動の活発化、自然環境では気象変動による体調不良などが挙げられます。

次に起きている変化から、その変化の意味を考えてみます。

民間企業の参入増加は行政対応の限界が背景にあり、介護用品の開発が進むのは利用者の多様化が背景にあります。貯蓄増・消費活動が停滞しているのは将来への不安の表れですし、法令の整備・事業見直しは政治が高齢化へシフトしていることを表しています。ボランティア活動が活発になってきたのは、共助意識が浸透してきたからですし、気象変動による体調不良が多いのは環境適応力の劣化が見られるからです。

これら変化の意味を考え、そこから派生する機会と脅威を考え、その事業領域が置かれている現状と、この先どのように変わっていくのかを考えていきます。

変化についてドラッカーは以下のように述べています。

この新しいものを生み出す機会となるものが、変化である。イノベーションとは、意識的かつ組織的に変化を探すことである。それらの変化が提供する経済的、社会的イノベーションの機会を体系的に分析することである。通常それらの変化は、すでに起こった変化や起こりつつある変化である。成功したイノベーションの圧倒的に多くが、そのような変化を利用している
Peter F. Drucker 『インベーションと企業家精神』

「変化」に敏感になること、そして変化の意味を考えることが重要です。すでに起こった変化や、これから起こりつつある変化をとらえ、政策の方向性を考えて行きます。

変化が新しいものを生み出す機会となるのです。

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