某日のブログから 2015年 あき缶はすてないようご協力ください

某日のブログから

あるところで、一般公開していないブログを書いています。週一くらいの更新です。今年度も引き続き書くことになりました。ある日の記事を再掲していきます。

あき缶はすてないようご協力ください

今週は長崎県です。月曜日は長崎市でプレゼンテーション研修、火曜日と水曜日は佐世保市で問題解決研修と交渉力研修、木曜日と金曜日は長崎市で、新任課長帳研修です。

問題を発見する方法として、危険予知トレーニング(KYT)の方法を説明する時があります。危険予知トレーニングとは、写真やイラストなどを見て、そこにどのような危険が潜んでいそうかを考えるトレーニングです。

例えば、ここに○○が置いてあると、つまづいて怪我をするかもしれない、というようにあらゆるケースを考えて、危険を予知していきます。

危険を予知したら、予防策を考えます。ここに○○を置かない、○○しないというものは、予防策や解決策とは言えません。なぜなら、「~しない」ということは、想像が難しく、行動に結び付きにくいからです。

解決策は、「~しない」ではなく、「~する」というようにします。

英語と比べて日本語表現には、この「~しない」というものが多くあります。私は昨年まで大学で、1日だけ非常勤講師をしていました。非常勤講師室には、ハサミや糊、カッターなどの備品が準備されていました。これらの備品を部屋から持ち出す人がいるのでしょうか。備品置場のところに、「ハサミや糊は部屋から持ち出さないでください。」と書かれるようになりました。

しばらくするとその貼り紙の下に、手書きの英語で、このように書かれていました。「ハサミや糊を使ったら元の場所に戻しておいてください(英語で書かれていました)」。非常勤講師の半分は外国人です。その中の誰かが書いたのでしょう。なるほどなぁ、と思いました。

日本語は、否定表現を使って表記することが多いようです。「火災の際にはエレベータを使わないでください。」という表記などは、代表的なものでしょう。火災時にエレベータのところに行きこの表示を見ると、どうしていいか分からなくなるようです。最近はこの表記も変わってきたようです。

英語では、”In case of fire, use stairway.”となっています。火災の際には階段を使ってくださいです。あるホテルでは(帯広市内のホテルです)、”In case of fire, do not use elevator.”(エレベータを使わないでください)と、そのまま英語に訳して表記されていました。英語を知らない人が書いたのでしょう。

「芝生に立入禁止」は Keep off.であり、「工事現場に立入禁止」はKeep outと、それぞれ肯定表現にしています。「このドアーから入らないでください」は Use another door.「乗客以外使用禁止」はPassengers Onlyです。

日本語は否定表現、英語は肯定表現が多いように思います。だからと言って、日本語表現がダメで、英語が良いと言っているわけではありません。

子どもに注意する時に、「ご飯を食べながら遊んじゃダメ」とお母さんが言います。子どもはどうしていいか分からなくなるそうです。ご飯を食べるのをやめて、遊びに専念すると良いのでしょうか。ご飯を食べてから遊ぼうね、と言う方が良いようです。

先日ビールを飲んでいるときに、ふとビールの缶を見ると、「あき缶はすてないようご協力ください」との記述がありました。

???です。すてちゃだめなの? と一瞬戸惑いました。

「あき缶はすてないようご協力ください」は、リサイクルして下さいなどの表記にすべきでしょう。すてないようにという表記には違和感があります。

「異常なし」ではなく、「正常です」、「考えられないこともない」ではく、「考えられる」というように、できるだけ肯定表現を使った方が分かりやすいでしょう。

ルールを作るときでも同じです。「~しない」ではなく、「~する」という表現をおすすめします。

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