見出し画像

でっ、誰にもらったマフラーなんだよって話を

ここしばらく、2021年4月1日正式発行となるウィッチンケア第11号の作業を続けていました。ええと、個人主宰誌なので編集行程のあともやるべきことは山ほどありまして、しかも発行責任者である私がなにか言うとなると、こんな極小媒体でもいちおう「ウィッチンケアの公式見解」になるわけでして、ブログやSNSではほとんど「PR活動」の言葉ばかり使っていて、ちと疲れた。諸々、「言えないこと」も澱のように...(それは言うまい、なんですが)。なんか、プライベートな気分で喋れる場所ないかな〜と思ったら、noteのアカウント持ってるんでした。

今号で私は「捨てたはずのマフラーどうしちゃったんだっけ」という小説を書きました。ゲラの仮組み段階までは「捨てたはずのマフラーのその後」だったんですが、「その後」じゃないな、もうちょっと私的に突っ込んでるタイトルでなければこの一篇にふさわしくない、と考えて修正しました。

「麻耶ちゃん」と呼ばれる女と「福富」と呼ばれる男が、午後の伊豆をドライブしている話です。「僕(=福富)」のモノローグがほとんどで、この「僕」は褒められたもんじゃない人物。でもそれなりにいろいろなことを考えてはいまして「伊豆をドライブしている」ことは、あまり本筋ではなかったりします。でっ、なんでnoteを使って喋りたくなったかというと、おそらくほとんどの人に気づいてはもらえないことを、自分から告りたかったから。

私はウィッチンケア第2号(2011年4月1日発行/なんとアマゾンでは《¥29,980 より 1 中古品》になってて困惑中)で「まぶちさん」という小説を書いています。まぶち=馬淵。現在は立憲民主党所属の衆議院議員・馬淵澄夫さんのことでして、話の最後のほうにちらりと登場します。...じつは私(←多田洋一)、2009年の夏に東京駅でリアル馬淵さんと遭遇しまして、「頑張ってください!」と声をかけたらニカッと笑って「ありがとうございます」と言われました。馬淵さんはご家族かなにかが運転する白っぽいクルマを降りて東京駅へと徒歩で向かう途中だったと思われ、その向かう先には黒塗りクルマとSP、そして前原誠司さんの姿が。たぶん一緒に八ッ場ダムへいったのだと。

ちょっとおもしろい体験だったので、小説のなかに登場してもらいました。タイトルにするほどのことだったのかな、といまは思いますけれども、後悔はしていません。でっ、その「まぶちさん」の主人公である「僕」の名前は福富。そして、その日「しくじると『あと』がない仕事」に一緒に出かけたのが、おばあちゃんに東京見物をさせたりしていた「麻耶ちゃん」。今号に書いた「捨てたはずのマフラーどうしちゃったんだっけ」に登場する2人です。「捨てたはず〜」は、もちろん単独で読んでも全然問題ないものになっていますが、「まぶちさん」のあの2人の10年後なのか、というふうに読んでもらえると、また違った感じにおもしろいかもしれません。ちょっとね、作者として、福富と麻耶ちゃんのことを再び召喚したくなるような2020〜2021年だったんですよ。

じつは「まぶちさん」。noteが始まったころ、有料(200円)でアップしました。全然読まれなかったけれども、今号発行に合わせて無料公開に切り替えました。「捨てたはず〜」を読んだあとにでも、あるいは読むまえにでも、ぜひご一読いただければ嬉しく存じます。URLは下記。

これが今回「喋りたかったこと」の一番でした。二番、三番については、またあらためて書くかもしれません。

「まぶちさん」(ウィッチンケア第2号に掲載)
https://note.com/yoichijerry/n/n92cc6be6d7ed





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?