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ボランティアから収入のあるキャリコンになる道

国家資格キャリアコンサルタントの資格はとったものの、就職口が見つからない人に向けて、ボランティアから収入を得られるキャリコンになる道の話をしたい。私自身がそうだったし、職場でもそうやって有償化した人を何人も見てきた。ちなみに、私のキャリコンの収入具合は、この記事で待遇を嘆いている公認心理師さんくらいである。

まず、無償ボランティアができそうな場所を探そう。最初から収入を求めず、ボランティアとして受け入れてくれそうな場所を見つけることが重要だ。キャリコンの活躍分野でも「地域」というやつだ。

ご参考:労働政策研究報告書No.200『キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査』第2章 キャリアコンサルタントの活動状況

https://www.jil.go.jp/institute/reports/2018/documents/0200_02.pdf

受け入れ先はNPO法人や社団法人などの非営利系団体がある。ネット検索で地域名に加え「キャリアコンサルタント+NPO」「若者支援」「就職支援」などで検索すると見つかるだろう。まずはその団体が開催しているセミナーやシンポジウムに参加しよう。まずはお金を払って参加することだ。もし開催タイミングが合わなければ「ボランティアは受け入れてませんか?」や「現場見学だけでもさせてくれませんか?」と問い合わせてみよう。礼儀と熱意は伝わるものだ。

そして実際、現場を見たり、働く人と接したりできて、『この活動に携わりたい』と思ったら、「ぜひまた来たいです」「お手伝いできることがあったら声をかけてください」と伝えよう。その時に、連絡先を渡せたら第一歩だ。その時に使えるツールが、履歴書や職務経歴書なのだ。「仰々しくて恐縮ですが、一番わかりやすいと思って…」とお渡し出来たら、一歩前進だ。

実際に活動に参加できることになったら、まずは雑務をしっかりやって信頼を得よう。掃除・ゴミ捨て・電話番・荷物運びなどだ。これを嫌がらないか、積極的にできるかで、新分野で活躍できる人かどうかで図られる。心機一転の原点回帰ができるかは、新しい仕事を始める上で大切だ。『雑巾がけの時期』なのだ。この点については、ミドル・シニア再就職のためのキャリコン指南書にばしばし書かれているので、予習して、自分が実践しよう。

バックオフィスの実務で信頼を得られたら、いよいよ利用者とも関わる場面にも出られる。引率同行やセミナーの補助だ。机並べとか、点呼とか、資料配布とか、運転手とか。ここも雑務が主であるが、利用者の様子を見ることができる。また、自分が利用者にどう接しているかが、他スタッフからめっちゃみられてる。自分から挨拶するか、気遣いができるか。キャリアコンサルタントはサービス業なのだ。一サービススタッフとしての振る舞いや心構えができているか。助言業や指導役としていばれる立場はまだまだ先だ。

そして、ここからがキャリアコンサルタントとしての能力が図られるところであるが、『利用者に対し、どれだけ興味を示し、自分からラポールを築こうとしたか』が大切だ。名前を覚える、呼びかける、あいさつや笑顔を向ける、セミナー中の様子を観察する。セミナーが終わってから、他スタッフに「セミナーにいた〇〇さんは、どういった経緯で来てるのですか?」なんてこっそり聞いてくる人は、才能ありだ。相手への好奇心は、愛の源だ。もっと才能がある人は、「今日は楽しかったです!セミナー参加者の〇〇さんは、こんなところがいい人ですね!また会いたいです!」とポジティブフィードバックがのっけからできる。天才現る。そしてここで、「利用者のここがけしからん。今の若い人は…。私はキャリアコンサルタントとして…」ってなる人は、向いていないのである。

利用者と雑談ができる、利用者から慕われている、といった様子を見て、より深い関係性になる仕事も任される。ここでようやく「個別相談」の業務が出てくる。もしかしたら、最初はセミナー講師として「職業人講話」なんかを頼まれるかもしれない。気をつけてほしいのは、高田純次の言うとおり、『説教・昔話・自慢話は控えておかないとね』。職業人講話は、基本「しくじり先生 俺みたいになるな!」が期待されていると思ってほしい。自分の失敗談を糧にしてほしい、と自己開示ができる人が好まれる。

有償化になる可能性は、欠員や年度替わりで人員を募集する時である。利用者に嫌われず、雑務庶務だってちゃんとやってくれる。普段の働きっぷりが実技試験なのだ。キャリコン仕事はとにかく人脈採用。信頼関係づくりが先、有償化は後。

キャリコン仕事は ①中年女性(家庭があり、世帯の主たる稼ぎ手ではない) ②定年退職後シニア(年金やこれまでの財産併用) ③営業力バリバリ社長 ④実家住まいワーキングプア といったクラスタがある。(これがミックスされたり、アレンジされたりであるが) ②の方に期待されるのは、実は責任者ポジションである。企業や行政との折衝、営業活動、クレーム対応といったことは ①のクラスタが忌避しがち。そこを担ってくれると重宝される。ボランティアから次はいきなり責任者、もちょいちょい聴く話だ。その何でもやらなきゃの責任者ポジションの一つに、個別面談業務も入ってくる。

「キャリアとは、人生を構成する一連の出来事」である。資格を取ったからって、いきなり違う自分にはならないのである。会社員としてお金をもらってやっていたことを、無償で提供すれば、そりゃそりゃ喜ばれるし、重宝される。私は電話番ボランティアからのスタートだ。その無償の働きを実技試験として、人脈と信頼関係を気付いていくと、後でお金がついてくる。
キャリコン仕事、公募求人にならないクローズ求人が多いのだ。潜在的求人こそが主戦場だ。

以上、先輩風を吹かせてみたかった、一匿名ブロガーの体験としてご笑納いただければ幸いだ。



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