春になる
朝のひざしが柔らかく明るく、春になった実感がわく。
今年は花粉が多くて、例年なら軽い症状のわたしでも、重めの症状がでている。
外はあかるい。
でも、外に出るとニンゲンじゃないみたいになるので、
外に出たくない。
春になると思い出す。
新しい学校生活、
新しいクラスメイト、
新しい教科書のにおい。
学校、というより、ニンゲンが苦手だった。
いわゆるカーストトップの人に狙われることが多かった。
最初に学校が嫌になったのは、小学校に入ったばかりのころだった。
親は話を聞いてくれず。いじめられていた実態は、教師が話していたことで実感した。
あの出来事がなかったら、もう少しわたしは生きやすかったかもしれない。
春は嫌いだ。花粉も、記憶も、ぐちゃぐちゃになる。
でも、桜の景色は好きだから、完全に嫌いになれない。
咲き始めも、散って地面が白く染まるのも、好きだ。
桜の花は一週間ほどで散ってしまう。なのに、春になると桜の開花を楽しみにしている。
嫌な記憶も、あの時だけは忘れられそう。
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