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物件取得戦略(2)

不動産投資には、難易度利回りの関係があります。
これらは基本的に比例します。
利回りが高い不動産は、総じてその難易度が高いってことです。

地方のボロ物件には利回りの高いものが多いです。
これは一見儲かりそうですが、すぐに住めない状態だったり、きれいに再生しても賃貸付けに苦労するエリアにあったりします。
だから利回りが高いんですね。難易度が高いんです。
地方のボロ物件をタダ同然の値段で買って、ピカピカに再生して賃貸付けをしたり売却をしたりして成功している投資家さんもいます。
これは物件の難易度を下げた代わりに、利回りが低くなってもニーズが創出されたってことです。
これは再生投資家さんが物件に吹き込んだバリューなわけです。そのバリューが具現化して、家賃や売却額が上がったんですね。

一方で都心のピカピカ物件はとっても価格が高くて利回りが低いと思います。
それでも賃貸は付くし、難易度は低い。
こういった物件を土地から仕入れて新築できる投資家さんは、資金もあってスキルもある。大きなバリューを物件に吹き込むことができる。
だから、新築が出来た時点でこれらを売って、高額な売却益を得たりできるんです。

どういった不動産に投資するかを考えるうえで重要なのは、どこなら自分のバリューを出せるかがキーだと思います。
資金が潤沢でスキルもあれば、都心の土地から新築が一番儲かるでしょう。
資金はないけどボロ戸建ての再生をやるガッツがあればそれも選択肢です。
でもどっちもちょっと極端ですよね。

そこまでいかなくとも自分のバリューを発揮することはできるのではと思います。
管理の質を上げて稼働率を高めるとか、修繕や設備改善で物件の価値をあげるとかです。

私は最初に都内の新築の区分ワンルームを買って失敗したあと、ある地方都市のRCの1棟ものを購入したお話を前回しました。
築30年、寒冷地にあり、返済比率55%はちょっとチャレンジだったと思いますが、積算が購入価格の1.5倍くらいあって資産価値はありそうでした。
私はこの物件で大家力を鍛えながら物件のバリューもあげられるのではと考えました。
元々営業マンだったので、トラブル対応は経験豊富だったし、対人折衝もそれなりです。
不動産は素人でもバタバタ動いているうちに要領もつかめて、然るべき手を打てるだろうと。
おぼろげながらも、物件購入の目的や狙いを自分なりに持っていたんですね。
かつての都内のワンルームは1度も空室にならなかったですが、逆に自分のバリューを出す部分が全くなかったんです。

でも実は最初の1~2年は非常に苦労をして、家賃滞納での裁判もしたし管理会社も2回変えたりしました。空室が増えて、マイナスキャッシュフローになりかけたこともあります。
しかしこれにめげずに新しい管理会社とは毎週電話会議をして、いろいろな手を打っていったのが徐々に効果を及ぼし、3年目以降は安定稼働で大規模修繕も実施。5年で購入時よりも高く売却が出来ました。融資期間を短めに取っていたので(これが返済比率55%の原因ですが)キャッシュはずいぶんと残りました。
自分なりに、かろうじてバリューを発揮した結果なのかなと思っています。
だから、ここなら自分のバリューで勝負できるというところで不動産投資をやるのがいいと思うんです。

さあ、あなたはどこにフォーカスしますか?

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