行きつけたいだけの人生。

行きつけの居酒屋が欲しい。

なんとなく飲みたい日に行く、行きつけの居酒屋が欲しい。

その居酒屋はなるべくなら、友だちがやっていて欲しい。気を使わない友だちが、そんなに真面目じゃなくダラッとやっている居酒屋がいい。

価格帯も普通。お酒も普通で、料理も普通。そんな普通の、なんでもない居酒屋が行きつけに欲しい。行きつけの店があまり流行っていると入りづらいので、そんなに流行ってない店が望ましい。

行きつけというぐらいだから、なるべく家の近くに欲しい。行きつけたいのだから、月に数回通っても飽きないぐらいのメニューは欲しい。

行きつけにいって、同じく行きつけている常連と一緒に飲みたい。

そんなことがしてみたい。「あー、あなたも今日来てたんだー」みたいな。

そういうのやってみたい。やってみたいだけの人生だった。

やってみたいけど、やれる気がしない。ある店に通って仲良くなるみたいなの、1度もやったことない。

そもそも僕の酒の飲み方は、あまりお店から歓迎される飲み方ではない気がする。なんせ味とか関係なく飲む。アルコールを摂取する目的で飲む。

このスコッチ、すごく芳醇でスモーキーだね♫、なんてことは一切言わない。あーこのアルコール飲みやすいーぐらいしか言わない。

えーこのお酒アルコール度数高ーい。

アルコール度数の割に飲みやすいかも〜。

アルコール度数アゲ〜。

そんなアルコール依存野郎は、居酒屋オーナーからするとあまりいい客じゃない気がする。

時間をかけて選んだこだわりの日本酒を「えー冷たくて飲みやすーい」とか言われたらブチギレるんじゃないだろうか。

わざわざ取り寄せて置いているウィスキーを出して「えーすごいアルコールの味するう」とか言ったら、ぶん殴られるんじゃないだろうか。

こわい。居酒屋こわい。

居酒屋の店主に自慢の酒を出されるのが怖くて仕方ない。


でも行きつけの店は欲しい。行きつけの店はほしいけど、できる気が全くしない。

じゃあ自分で作るしかないな。

これが居酒屋を作りたいと思った理由である。

自分の行きつけの店を自分で作るという発想の転換。

パラダイムシフト、と言ってもいいかもしれない。パラダイムシフトってなんだっけ?

とにかく、僕は行きつけの居酒屋を作る。

現場からは以上です。


@yohjihonda fdy.incというアパレルブランドの代表をしています。@fdy_inc SenveroOnDemandという飲み会を企画しています。