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【制作発表】夜×デジタルデトックス×物語|ENDROLLが体験型ARゲーム「ガラパゴスの微振動」の次に拡張するもの

はじめまして、株式会社ENDROLL代表の前元と申します。

ENDROLLは、物語とテクノロジーを活用することで「現実をもっとワクワクする世界に拡張すること」に取り組んでいる会社です。具体的にはそのミッションのもと、AR(拡張現実)技術を取り入れた体験型エンターテインメントの企画・開発を行っています。

中でも、2020年にリリースをした「ガラパゴスの微振動」という作品は、ありがたいことに多くの方々に遊んでいただき、CEDEC AWARDS 2021 ゲームデザイン部門において優秀賞に選出いただくなど、弊社がこれまで手がけてきたものの中でも、代表的な作品となりました。

このnoteは、「ガラパゴスの微振動」を経て、弊社が本日(2022年1月18日)発表した「よひつじの森」という作品に行き着いた経緯と想いをまとめたものです。少しでも多く、エンタメの可能性を信じる方々に届きますように。

現実を本当に書き換える ARG 「ガラパゴスの微振動」

「ガラパゴスの微振動」を未体験の方も多くいらっしゃると思いますので、まずは作品の概要を説明させてください。

この作品は、プレイヤーの皆様の自宅に、実際に怪しげな封筒が届くところから始まります。封筒を開くとそこには、Butterfly Rescueを名乗る組織からの指示書が。過去に干渉できる“TimeEditor”という役割を与えられたプレイヤーは、2005年のとある高校で繰り広げられる「学園祭までの七日間」の物語に参加し、過去を書き換えることによって、現在を退屈に生きているひとりの青年の人生を救う……という物語です。

プレイヤーは、ARによって浮かび上がるホログラムの校舎を覗き見つつ、2005年当時誰でも持っているツールであったガラケーを操作することで、過去に起きた出来事を書き換えていきます。

作中時間とリアルタイムに連動して進行するイベント。過去を変えることで書き換わっていく実在するWebサイト。「現在」の世界自体にも変化が起きていくことが、本作の特徴です。

改めて文章にすると、極めて特殊で複雑な構造を持った作品です。僕たちがこの作品に込めた想いは「物語と現実の境界線を無くすことによって、日常を楽しく生きるという体験を届ける」というものでした。

新型コロナウイルスによって、外出ができなくなった2020年。自分の身を守ることに終始する世界において、誰かと繋がる時間をできるだけ高い濃度で提供したいと考えました。

そこで行き着いたのが上述のシステムです。アプリの中に従来閉じていた体験を、アプリの外の現実、例えばウェブサイトや、実時間という概念、封筒などの物理的なアイテムなどと組み合わせることで、現実と物語の接点を無数に増やそうとしました。

「ガラパゴスの微振動」を経て見えてきたもの

まだ小さなENDROLLという会社に許された時間と予算の限りを尽くして、やっと世の中にガラパゴスの微振動を提供した結果、自分達が本当に提供したい価値の輪郭が、少しずつ見えてきたように思います。

先ほどご紹介したように、ガラパゴスの微振動では「ゲーム内の時間」と、「実生活の時間」が連動するというギミックがあったのですが、そのために一部のプレイヤーさんはわざわざ早起きをしていたり、開始する曜日を調整したりして下さっていました。
日常と連動したエンタメの力が、実生活の”何か”を変えていく瞬間が見えてきたのです。

そして、そこから一つの着想を得ました。

それは「エンタメの力で、意図的に現実世界の行動変容を起こせないか」というものです。世の中には、退屈な時間がまだまだたくさんあります。その瞬間をエンタメの力で、楽しい時間に、楽しい行動に”意図的に”書き換えることはできないかと。

協議を重ねた結果、「ポケモンGO」や「ピクミン ブルーム」が、「歩行」というデータを中心にゲームシステムを設計したように、「睡眠時間」「スマホの使用時間」「体重」「感情」などといった、人間に紐づいたデータと物語を組み合わせていくことに決め、この想いとテーマを背負った事業に「ライフハックエンターテインメント事業」と名前をつけました。

よひつじの森|眠れない夜を楽しむアプリ

そして、本日2022年1月18日、ENDROLLは、集英社様との「ライフハックエンターテインメント事業」の第一弾プロジェクトとして、眠れない夜を楽しむアプリ「よひつじの森」の制作発表を行いました。

プレスリリースはこちらから
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000038.000034386.html

本作のテーマは「スマホから離れて自分だけの静かな夜を過ごすこと」

プレイヤーは、ひつじのキャラクター「ヨル」と共にアプリ内で日々を過ごし、規則正しい就眠や、睡眠前のデジタルデトックス習慣を継続することで、豊かな音楽を集めながら旅を進めていきます。

「よひつじの森」は、子供の頃、眠れない夜に数えた”あの”ひつじたちの物語です。ひつじが1匹、ひつじが2匹... いつかの夜の記憶をテーマにした「あなたとひつじ」の物語が、プレイヤーの睡眠記録に呼応して展開されていきます。

在宅ワークがつい長くなり、気がつけばもう寝なきゃいけない時間になっていて…... 急いでシャワーを浴びてベッドに転がり込んで、SNSやYoutubeを見ながら、あと少し、あと少しと思っているうちに時間は過ぎていく。スマホを閉じてみるものの、思ったように寝付けず、眠くなるまでもう少しだけ...とスマホをもう一度開いてしまう。そんな、ちょっとだけ罪悪感がある夜。

これは、僕の友人の眠れない夜の話です。

別にそんな夜を繰り返していたからといって、大きな問題があるわけではありません。でも、スマホをおいてみて、自然の音楽に身を委ねて、頭の中を空っぽにしてみると、ちょっとだけいい気分になれます。

それはきっと、自分だけの時間を過ごすことができているから。そんな「ちょっとだけのいい気分」のためにこのアプリはあって、そんな「ちょっとだけのいい気分」のために、ひつじたちはあなたを支えてくれるのです。

ユーザー参加型コミュニティ「ヨルトコロ」開設

よひつじの森はまだクローズドベータ版につき、Discordで開設した制作コミュニティ「ヨルトコロ」にご参加いただいた方々のみ、モニターとして先行プレイしていただくことが可能です。

ユーザー参加型コミュニティ「ヨルトコロ」へのご参加はこちらから!

ヨルトコロでは、ENDROLL・集英社の制作チームと、コミュニティ参加者の皆様で主に以下の活動を行います。

① よひつじの森の先行プレイ
クローズドβ版をコミュニティメンバーの方々に実際にさわっていただいて改善点をいっしょに洗い出していきます。まだまだ良くできる点が多くある状況ですが、あえてこの段階で公開してみます!

② 制作プロセスの公開
皆様からいただいた声をもとに、アプリへの反映の意思決定等、実際の制作チームのミーティングの風景や議事録等を公開します。また、制作陣の開発現場の様子をツイッター感覚で定期的に配信していきます!

③ 次回作の企画会議の公開
よひつじの森は睡眠習慣記録アプリですが、実は次回作もすでに企画が始まっています。ヨルトコロへご参加いただいた方々にもヒアリングをしながら、企画をブラッシュアップしていきますので、ぜひ皆様のご意見をお聞かせください。


現実を拡張する仲間になってください

僕の人生には、エンタメに救われた瞬間が多くありました。だから、エンタメの力を信じているし、便利さが研ぎ澄まされていく現代において、豊かに生きるために今後ますます必要になっていくものだと思っています。

だから、ENDROLLは「物語とテクノロジーによる現実の拡張」を掲げます。
でも、そんな大きなテーマの前では、今のENDROLLはまだまだ小さすぎるから。

クリエイターとして、制作のプロセスを公開することは、当然ながらとっても怖いです! でも、僕たちだけでは全然力が足りないし、近い想いを持った方々と作った方が楽しい気がしたから。

だから、エンターテインメントの可能性を信じる皆様。
もしよろしければ、ヨルトコロをのぞいてみてください。


チーム一同、お待ちしております!


ユーザー参加型コミュニティ「ヨルトコロ」へのご参加はこちらから!




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