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流氷を追って

はじめに

以前から北海道には何度か来ていた。50歳を超えて初めてバイクの免許を取った時いつかは北海道の大地を自分のバイクで走ってみたい、とか、大人の休日倶楽部の会員パスが始まった時など。
写真撮影を退職後の趣味にしようとして、さて何を撮りましょうか、、、
始めたばかりの時、特に冬は被写体を見つけることが難しくて、、
寒い時はいっそ、もっと寒いところに行くと何か見つけられるのではないかと思った。
そんな風に思いついたときに、車で、列車で、レンタカーで、一人で北海道に出かけてはいろんな風景に出会ってきたのでした。

根室にも何度か行って納沙布岬の岩礁が朝の光を浴びる瞬間を美しいと思った。

シャーベット状になった海水がゆっくり、ゆっくりと動いて岩にぶつかった時、ただの海水とは違うその重量を一瞬に爆発させて砕け散る。
その光景を見るためにだけでもまた納沙布岬まで出かけても良いと、旅が終わった今でもそう思っている。

納沙布岬(2018年2月)

この私にとっての流氷のイメージがどうも一般の人の流氷のイメージとは少し違うかも知れないと気が付いた。

一般的な流氷のイメージは、もっと大きな塊、氷山のような、そこまで大きくなくても港がふさがれてしまうくらい大量に打ち上げられるイメージかな?

今回は、紋別からずっと流氷の追っかけをしてみようか。

幸い、北海道LOVE割もあるし、資金的には大助かり。
ただ、いつも思い出したらすぐ動く質の私は、予定を入れるとかスケジュールを決めるとかがとても苦手。ホテルなども直前にネットで予約するとかしていたので出来ないわけではないにしろ、今回はホテルの予約と北海道LOVE割クーポンの手配をセットでやる必要がある。そしてそれは流氷が接岸するタイミングに有っていなければ、かなり悲惨な結果になってしまう。
1月の半ばには、なんとかすべての予約の手配が終わったが、あとは流氷接岸のニュースを祈るだけであった。

2023年2月16日 八戸から苫小牧に

今回は青森-函館ではなく、八戸ー苫小牧のフェリーにした。
今回は徹底的に流氷だけ、を追う事を考えると、苫小牧から紋別まで300Kmちょっと、高速道路を使わなくても当日の夕方までには到着できる。

ちょうど小野昭仁さんの写真展が八戸彩画堂で開催中だった。

最終フェリーに乗って早朝に苫小牧に到着するのがプランなので、あまり早く八戸に着いてもやることが無くて、、と言うのはまずいけど、幸い開催中の写真展に夕方にお邪魔してじっくりと見せていただければとても良い時間の過ごし方になりそう。

全国総合写真展 内閣総理大臣賞に輝いた八戸エンブリの写真も展示してあってご本人から撮影のお話などを伺うことが出来た。

おかげでじっくりと写真展を見せていただいたあと、フェリーターミナルに向かった。
途中で地元のスーパーでお弁当とビール、つまみなどを買い込んで乗船。
2等船室の私の部屋は、20人用の部屋に2人、両端に分かれた形の配置だったので快適です。

22:00 定刻出航です。 

結構眠れるものですね。そのまま翌朝までぐっすりでした。

2023年2月17日 苫小牧から紋別に

6:00 苫小牧に着いて、ナビを紋別にセットしたのですが、GPSの信号をとらえるまではまだナビの自車位置は八戸港なので、暗い中しばらくは前車に続いて走り途中で道の駅ウトナイ湖の案内があったので入りました。

道の駅ウトナイ湖
フロストフラワーがお出迎え
道の駅そのものはリニューアル工事で休業中でした。

のんびりと車を走らせていたら15Km/Lなんてちょっとビックリの燃費です。いつもは11Km/L前後で良くても12Km/Lなのです。奈井江町の「道の駅ハウスヤルビ奈井江」でラーメンの昼食、ここの町は「日本一の直線道路のまち」だそうで「ずどーん」をキャッチフレーズにしています。ズドーンシールをいただいてきました。どこかに貼らなきゃ!!

奈井江町「ずどーん」
ステッカー

今改めて見直したら流氷のイラストにも見える事に気づいたので、ここに貼っておきましょう。


明日乗る予定のガリンコ号

オホーツクタワーは16:00で閉館。それには間に合いませんでしたが夕日には間に合って、、港内に残った流氷を何枚か撮影。

一度接岸した流氷群はこの日はまた沖に流されていて、ガリンコ号に乗らないと見えない状態。
事前にガリンコ号サンライズ便、朝6:00出発を予約した自分を褒めてあげよう。

2023年2月18日 紋別から網走に

ガリンコ号の乗り場

まずは6:00からのガリンコ号サンライズ便に乗って流氷を見ておきましょうね。出航までライトアップされたオホーツクタワーを撮影、少しづつ空が赤みを帯びてきます。

オホーツクタワー

アナウンスでは、流氷(帯)まで10分ほど北に向かって進み、そのあと流氷(帯)の中を10分ほど航行して港に戻るそう。

流氷の夜明け

ありましたよ!!   大きな塊が!!  これですね。流氷のイメージは。

流氷
流氷と航跡
朝日に輝く

無事に流氷を拝めたので、一安心。
今日の夕日は能取岬と決めているので、そこまでは適当に海岸に立ち寄って接岸した流氷の表情を見ていくことにする。

螺髪

防波堤の岩やテトラにダイナミックなしぶき氷が出来ていた。
波で洗われている土台付近は直線があらわになっているので、波しぶきで隠して撮影。
お釈迦様の螺髪に見える。

こっちは、ラッパーのドレッドヘアに見えませんか?  タコの脚かも?
能取岬灯台を美岬海岸側から撮った一枚。
能取岬の夕日
能取岬灯台

2023年2月19日 網走からウトロに

今日は能取岬を起点に、網走からウトロまで、、 見どころが一杯。
天気は良さそうなので一安心。
事前の準備のおかげか、それほど寒さを感じない。

流氷は網走でもまだ沖にいる。 遠くてよく見えないが鳥たちも活発に動いているようだ。

網走市の藻琴海岸には、流氷ではなく藻琴湖から氷結した湖水が割れて流れ着くとネットニュースに載っていたので、寄ってみた。
砂まみれの氷を、波で洗おうとしたらそのまま沖に持っていかれた。
面白いので続けてもう一つ二つ流して撮った一枚。

北浜駅で一休み。前回寄った時は地元テレビの女子アナさんが中継リポートをしていたが、今回は臨時列車のため撮り鉄ちゃんたちが大集合していた。後ろから脚立でそっと撮らせていただきました。

以久科原生花園に寄ってみた。
大きな流氷が波で動かされてゴツンゴツン言っている。動画向きの場所かな?
きれいな水色の氷もあるし、なかなか見ごたえがある。明日の朝はここで知床の山から昇る朝日を撮ろう。

2023年2月20日 ウトロ2日目

夕べから雪で、まだ降り続いている。
朝日は出ないし、一日中雪の予報。
幸い雪の量はそれほど多くなく車は十分動けるので、予定通り以久科原生花園に行く事にした。

オシンコシンの滝 (上部)

オシンコシンの滝は、いつ来ても全く上手く撮れない。全く撮れる気がしない被写体もあるのですね。
部分だけで許してもらおう。

オシンコシンの滝  (部分)
オシンコシンの滝 (部分)

今回の旅ではフレペの滝に行く事にしていたので、とりあえずしれとこ自然センターに行ってみた。天気が悪いので気を付けて、だめなら早めに引き返してと元気づけられて出かけた。たしかに途中から、吹雪が強烈で顔に雪が刺さってくる感じ。撮影中も風であづまやが倒壊するのではと何度も不安になった。

フレペの滝


フレペの滝


オホーツクの香り

2023年2月21日 ウトロから根室に

翌日のウトロは雪もやんでいたので、プユニ岬に寄ってから根室を目指すことにした。昨日は風と雪で全く見えなかったものが今日は眼下にウトロの全景が現れていた。
びっしりと流氷に閉ざされた港は、この旅で初めて見る光景だった。

ウトロから、風連湖付近に立ち寄りながら根室を目指した。

風連湖 春国岱の夕日

2023年2月22日 根室から釧路に

今回の流氷を巡る旅は、納沙布岬を最終地にした。ここまで流れる間に流氷は細かくなり海面を覆う。
シャーベット状の波がゆったりと寄せては返す様が面白い。

納沙布岬灯台

根室から釧路へ、
花咲港、車石、落石海岸などを見た後、厚岸で昼食。今回も厚岸の牡蠣は食べ損ねた。

盛んに追いかけている方の鳥に焦点を当てたが、あとで見たら逃げている鳥が魚をくわえていた。知っていたらもう少し右に余裕を持たせた構図にしたのに!!   まさに後の祭り(笑)

2023年2月23日 釧路から苫小牧に

思ったより、釧路から豊頃町は距離があり、車で2時間近くかかりそう。頑張って早起きして、ジュエリーアイスを撮りに行く事にした。かろうじて日の出の時間に間に合った。豊頃町は、ジュエリーアイスのために、町営駐車場やお休み処を整備していた。

「二人の世界」 私の後ろにもジュエリーアイスをスマホに収めるための行列が、、  
申し訳ないのですが声を掛けさせていただきました。
ジュエリーアイス

豊頃町で4時間ほど過ごしたようだ。
それでも苫小牧のフェリーは21時過ぎなので、まだ時間はたっぷりある。
襟裳岬経由で苫小牧に向かうことにした。
大樹町の紋別川の橋から丹頂鶴を見かけた。

襟裳岬

2023年2月24日 苫小牧から八戸に、そして帰宅

2月23日(木)21:15 苫小牧港を出発
2/24日(金) 4:45 八戸港  到着

日の出前に到着したので、八戸の大須賀海岸に寄ってみた。
この海の先に襟裳岬があると思えば、つい灯台の光を探してしまう。
実際には200Kmほど離れているので灯台の光は届かないそうです。

大須賀海岸 八戸
2023年2月16日~2023年2月24日 走行距離1884Km  149.86L  平均燃費12.57Km/l 

あとがき

旅の記録を残しておきたいと途中まで書きかけていたのですが、今年の桜前線は異様に早くて、おまけに天候も良くて、ほとんど休む間もなく飛び跳ねていました。
桜旅2023もそろそろ後半戦が始まるのと、合間を縫って製作していた絨毯も次の工程に入るので、ここらで流氷の旅を締めくくろうと思います。

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