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どう捉える?台風発生ゼロの7月

 残り4日、7月に台風の発生がゼロだったら、約70年間の観測史上初の出来事になるそうです。

 ちなみに台風と聞くと、水害を含む大規模な災害をもたらす存在というイメージが定着していますが、台風は台風なりの役目があるものです。

 その一つは海をかき混ぜること。

 このコメントをNewsPicksに投稿した、自分史上最高の45いいねももらえて嬉しかったのでnoteにも書こうと思った流れです。

 さらにこの45いいねの中には有識者のTさんやIさんも含まれていて嬉しくなりました。

 さて本題。

 海をかき混ぜることで何が起きるか?

 海水の表面温度を下げることができます。

 例えば草津温泉、熱い温泉を冷ますための『湯もみ』をイメージされる方も多いのではないでしょうか。

 あれがまさにかき混ぜの代名詞で、お湯をたくさん空気に触れさせることで温度を下げているわけです。

 海の場合は、表面の海水と深層と呼ばれる水深の深い領域の冷たい海水とを混ぜることで温度を下げられるわけです。

 これができないとどうなるか?

 まず海洋生物の生息域が変わってくるでしょう。

 人間だって毎日35度の世界にいたら北国に逃げたくなりますよね? 適正環境というものがあります。

 魚も同じ。

 違うのは適応能力で、あまりにも熱いと死にますし、では深海に居を移そうと思っても順応性や敵の存在などが懸念されます。

 なので生態系への悪影響が第1。

 また水がかき混ぜられれば、深層領域にも空気が行き届き、海洋生物の命をつなぐくことができます。

 これがなくなるとどうなるか、もうお察しですよね。

 第2に、海水表面の温度が高ければ、いずれ発生するであろう台風のエネルギー源になります。

 気温が高いほど、空気中に含める水分量も比例して増えますから、大雨型の台風になることも懸念されます。

 ただでさえ温暖化の影響で台風が爆弾化している昨今において、これは大変怖いものです。

 日本列島に被害をもたらさない程度に台風は発生してもらわないと、色々と厄介なわけです。

 ちなみに長梅雨が続くここ最近ですが、原因は太平洋高気圧の張り出しが弱く、梅雨前線に押し負けているのが現状なので、この高気圧が元気になると、梅雨明けが宣言されるでしょう。

 で、今年ももれなく猛暑になる予報が出ており、これは暖かい空気を持った偏西風が例年よりも北側に蛇行しているためです。

 ということは?

 熱い空気が上空を覆う+(地表に向かって空気を吹き下す)太平洋高気圧が活発になれば、必然的に海水温が上昇しやすく、台風が発達しやすい環境が養生されます。

 なのでこのニュースから言えることは、いつでも避難できる準備をしておくこと、になるでしょう。

 昨年の台風19号のような災害を思い出すいいきっかけとして捉えましょう。

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