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札幌市の社会的養護についての簡素なまとめと今後の計画_20201231

年の瀬です。
機会の平等の実現について何か貢献できたらいいなと思って長いのですが、そろそろちゃんと動こうと思います。
機会の平等という言葉は、平等ではない人たちがいるということであって、それは可能な限り是正ができたらいいなというシンプルな思いからです。
なぜ社会的養護の分野に関わるかというともともと教育系に携わっていたこともあり、私にとって身近なテーマであったからです。

■札幌の社会的養護について

2019年に札幌市で2歳の子供が衰弱死した事件をきっかけに一時保護の受け入れ件数が増えてきており、児童相談所だけでは受け入れきれず、児童養護施設に委託するケースが増えてきている。現在札幌には50名定員の一時保護所が一つ、次に作るのは5年後とのこと。

札幌市議会の定例会においても「虐待防止」の観点からの札幌市の対応について議論がされており、子供の社会的養護に関する動きが大きくなってきているように思う。例えば札幌市は2020年4月24日に市長を本部長において札幌市児童虐待防止対策推進本部を設置し7つの提言をもって組織改革・体制改善や児童虐待推進に取り組んでいます。そこでは北海道警察や、外部評価機関とも連携しながら進めている。

少し長いが札幌市議会の代表質問の札幌市の回答を載せておく。

新型コロナウイルスの影響も含めた児童虐待の実態と防止についてであります。
 児童虐待の通告件数は、昨年6月から、児童虐待への危機感の高まりを背景に、大きく増加をしております。令和元年度は計2,100件で、前年度から40%の増となり、また、この4月も26%の増加となっております。
 通告が増えている状況でありますが、昨年以来の体制強化により、48時間以内の安全確認とリスクアセスメントの徹底を図って対応をしているところであります。今後、3月以降につきまして、学校の休業や外出自粛などによるストレスの増、乳幼児健診の延期などによって子どもの状況を確認することが難しい面があるものと認識をしており、このため、関係機関による定期的な見守りの徹底や、ひとり親を含む子育て家庭が生活保護相談等で来庁の際には、子どもに関する困り事をしっかりと感じ取って関連部局との確実な連携につなげるなど、相談者に寄り添った対応を行っているところであります。
これまでの体制強化についてでありますが、児童相談所には、担当の局長、そして児童虐待対応専任の部長と課長を新設いたしまして、組織マネジメント体制の強化を図ってまいりました。そのほか、職員増により、休日・夜間も含めた24時間虐待通告に対応できる体制というものを確立し、常勤の医師を配置してきたところであります。また、区役所では、家庭児童相談室職員の増員をはじめ、母子保健部門にも母子保健相談員の新設や心理相談員を増員するなど、虐待予防の観点から市民に身近な相談支援拠点の体制を強化してきたところであります。
 今後の取組についてでありますけれども、検証報告では、支援体制の強化の必要性など7項目にわたるご提言をいただいたところであり、その中には、協働の視点や支援を受ける側の立場になって問題を理解する観点など、市役所の全ての職場に関わる仕事の取組姿勢についてもご指摘をいただいたところであります。この提言を重く受け止め、私から、全職員に対し、まずはこの報告書を読んだ上で、指摘されている仕事のやり方、協働の視点や相手の立場に寄り添うということを自らの仕事に置き換えて考えていくようメッセージを発出したところであります。この提言書につきましては、職員研修にも活用してまいりたいと考えております。
 今後は、先日立ち上げた児童虐待防止対策推進本部を通じ、私が直接指揮を執って組織横断的な取組を進めつつ、関係機関との連携も図り、二度とこのような事案が起きることのないよう、覚悟を持って取り組んでまいりたいと考えております。

と、札幌市としても力を入れていくと言っているのがわかる。

■社会的養護の全体像と課題について

※参照:https://www.slideshare.net/livinginpeace/2017-167051179?ref=https://kodomo.living-in-peace.org/

概観と課題については整理中ですが概観については上記資料が非常に参考になりました。

課題について分類すると
■社会的養護一般的な課題
・虐待と聞くと親を悪者にしてしまうことも多いが、一時保護される子供の親は無職だったり、精神疾患率が非常に高くなっている。子供の貧困問題
・子供の孤独の問題、自分の居場所だと思っている数が生活の充実度やキャリア選択についての意識に結びついている(内閣府 特集 若者にとっての人とのつながり
・児童相談所、一時保護所の受け入れ体制や人員不足や業務の拡大について
・養護施設以外の一時保護委託の実態、どれだけ地域と連携が図れているか、またその評価指標
・児童養護施設を退所した後のサポート体制・アフターケアについて(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200927/k10012636671000.html
・里親制度の認知の低さと実施率の低さ、教育制度の確立(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000187950.pdf)
・市民の施設出身者への偏見
■札幌市の課題
・札幌市の制度が実際にどの程度活用されているか。スタディメイトやメンタルフレンドがどれだけ重要なものか
・今後の札幌市児童虐待防止対策推進本部で連携する団体との実際の課題
・市内の地域団体やNPO等の実態と連携について
■その他
・全道的に見た時に児童養護施設の距離的問題、北海道特有の課題(https://core.ac.uk/download/pdf/286768523.pdf)

実生活から相談所→一時保護(委託含む)→施設等の社会的養護or実生活に戻るというフェーズの中のそれぞれの利害関係者ごとの課題と予防、処置、再発防止の観点から札幌市の実情はどうなのかを整理していきたい。

■今後の取り組みについて

子供の社会的養護の分野は少し調べただけでも非常に幅が広く、どこから手を付けていけばよいかを考えている状態です。繊細な話が多く、内容が内容なだけに慎重にアプローチしなければならない。高度な専門性が求められるので民間や個人の団体レベルでなにをしたらいいかを勉強していきたいです。

ということでまずは勉強会を始めてみようと思います。毎週土曜日朝7時半~8時半を予定しています。興味のある方は一緒にやりましょう。こちらの申し込みフォームからお願いします。
https://forms.gle/8TYZU6zXm9MvPiox6

■参考文献

・令和2年度札幌市児童相談所業務概要https://www.city.sapporo.jp/kodomo/jisou/documents/00_2020_gyoumugaiyou_all.pdf

・社会養護の全体像
https://www.notion.so/b8af414eda3c40e286be74942c5c627c#86da6aa05ee04e1a9487a6267b39db67

・リディラバジャーナル
https://www.notion.so/b8af414eda3c40e286be74942c5c627c#60ac295c43684e11bd975cf1bfdf14a2

・ルポ 児童相談所 一時保護所から考える子ども支援
https://www.amazon.co.jp/dp/B01N4OZISC/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

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