見出し画像

ジェイ・Zの起業家魂

ヒップホップの神様、JayZ(奥様はビヨンセ)のウォーレン・バフェットとの対談はもの凄い興味深い内容だった。
明らかに、ヒップホップをアンダーグラウンドのカルチャーから世界のメインストリームカルチャーへの発展させた超立役者だ。アーティストとしては、21個のグラミー賞受賞、妻のビヨンセ、アリーシャ・キーズ、リアーナ、エミネム、カニエ・ウェスト、リンキン・パークなど数々のアーティストとのアルバムをプロデュース。
ジェイZのことは知ってるよ!という人もいるかもしれませんが、敢えて凄まじい経歴をここにシェアさせていただく。アーティスト&エンターテイナーとしての顔を持つ一方、ジェイ・Zはスーパーサクセスフルな起業家なのである。かつてはレコードレーベルのロッカフェラー、アパレルブランドのロッカウェア、NBAチームのブルックリンネッツの共同オーナーでもあった。ナイトクラブの40/40を経営、ロックネーションを設立、アスリートとアーティストたちのマネージメントもし、数々のベンチャービジネスへも参入し、Uberにも投資していることは有名な話である。フォーブス誌では2018年の「最も裕福なアメリカのセレブリティ」で5位にランキングされている。少年時代は3度の刑務所暮らしを体験し、父親や拳銃を持って家を出ていき、母親の元で、育ち、ドラッグで生計立てるなども経験するという生い立ちの持ち主は、ヒップホップだけでなく、エンターテイメント業界におけるカリスマ的存在だ。


さて、YouTubeで検索してたら、ジェイ・Zとウォーレン・バフェットの対談映像が出てきた。こんな全く違うフィールド出身の二人の対談は興味深い。フォーブス誌もなかなか粋な計らいをしたと思った。このことに僕は深く感銘した。


映像を見た。約60分。さすがのグローバルなビジネスマンのJayZだ。独特のクリエイティブな感性溢れる言葉選びが特徴、その独特な感性でビジネス的視点を語る彼はまさにカリスマだ。これぞHOVA(ホヴァ、キリスト教の神エホヴァに由来)というニックネームを付けられ、黒人たちから崇められる由縁であろう。


彼の語った内容で主に気になった点は以下の通り。
1) discipline (鍛錬)とconfidence (自信)を大切にした。音楽業界に携わることは、株を買うようなもの。超流行る時もある。消費者は常に自分の感情に駆られた決断し、新たにホットなものが現れるとすぐにそっちに飛び移っていく。だから僕は常に私という人間(Who I am)を鍛え、自信をもっていくことを続けた。そして自分の本物の感情を使って、世界をはっきりと表現していくことにした。常に自分自身でいることが大事だ。Be yourself!


2) Love(愛)ジェイ・Zは小学校6年生の時に出会った女性の先生からの言葉がのちの人生に影響を及ぼしたと語っている。その時、『言葉』という愛を感じたという。その先生は、ジェイ・Zの詩を書く才能と創造性に目が留まり、ぜひいろんな言葉を使って書き続けていくといいとアドバイスをしたそうだ。そこからラップにはまり、このときからImaginationのスキルをアップさせていくことになる。


3) Consistency(一貫性、粘り強さ) ミュージシャンとして生きていくと、最初は情熱でスタートし、キャリアを続けていくが、途中からフェイドアウトしていく人たちはたくさんいる。アーティストとして生きていくためには、常に新しいものやトレンドと戦って行かなければならない、消費者はピカピカ輝いているものといつもfall in loveする(恋に落ちていく)からだ。18歳の若者が今のヒップホップ音楽を聴いて、28歳になると突然ヒップホップのジャンルに興味をもたなくなるということはよくある話。でも自分は、自分が好きな曲、作りたいと思う曲を作り続けた。それは正しい決断だった。最初は、全ての音楽レーベル事務所に自分の曲を売り込みに行ったけど、自分たちの前でドアをバタンと閉められる日々が続いた。でもWe didn't give up!(諦めなかったこと)が自分たちが天才だったと思うよ。自分たちでオリジナルのCDを売っていき、バズらせていき、レコード会社が自分たちの元に戻ってきた。今度は全く違う交渉になったよ。今ではレコード会社のオーナーシップも持っている。今でもたくさんのミュージシャンをプロデュースし、儲かるかどうか試していく手法がある。まるで小屋の中から七面鳥を取り出して、壁にひたすらぶつけていく作業みたいだよ。量産する機械がだんだん動きがゆっくりになり、アーティストが売り出されていく過程がどんどん鈍っていく。私たちも何百というアルバムを毎年リリースしているけど、パーセンテージは本当に低いから利益にならない。だから自分はこの文化全体に対して出資をしたかった。アーティストとのディールを契約することとプラスして他のこともできるからだ、例えばテレビ局を買ったり、自分たちのアーティストを育成するクラブを買ったり、いろいろな事業ができるように。だから自分自身の会社ロックネーションを立ち上げた。雑誌の出版もする、レコーディングもする、番組制作もする、ツアーもする会社となっている。


彼の独特な感性で進めていく起業家魂はすごいと思う。この対談の映像のリンクはこちら。字幕がないので、英語の分からない方には申し訳ない。

こちらは、2009年のヤンキーススタジアムでのワールドシリーズの詩合前にジェイ・Zとアリーシャ・キーズが熱唱したときの映像。ヤンキースナインも試合前とは思えない楽しみぶりで、ジーターの表情も印象的です。

ジェイ・Zはまさにアメリカンドリームの象徴である!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?