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Sisense + Zapier でデータをトリガーにワークフローを自動化する方法

前回の記事で、Sisense(サイセンス)に入社したと書きました。8月に入社以来、エゴサ的にSisenseに関連するウェブ記事を検索しては読んできましたが、まだまだSisenseの魅力は知ってもらえてないかも・・・と思い、これからちょくちょくSisenseってどんなBI?Sisenseってどんな会社?また、Sisenseの向かう方向性・・・まだBIとしてあまり考えていなかったけど価値が引き出せる領域に関してブログを書いていこうと思っています!

Sisenseの市場での認知

Sisenseは2010年の最初のバージョンリリース、Series Aのファンドから10年目になりました。ユニコーン企業としてのステータスに達している、イスラエルで創業し、現在はニューヨークに本社があるBIベンダーです。グローバルで2,400以上のお客様に活用されています。市場では、実際のユーザーレビューのスコアを元にしたテクノロジーのレポートをしているプラットフォーム「G2」の組み込み型BI部門のレポートで、Sisenseはかなり勢いのある会社だと評価されています。

G2 Grid for Best Embedded Business Intelligence

ただ、この「組み込み」=「Embed(エンベッド)」という切り口は非常に狭い見方になってしまうなと思っています。なぜなら、Sisenseは「Embedded Analytics(組み込み型の分析)」という考え方に対して、「Infused Analytics(業務と同化した分析)」を可能にするプラットフォームを提供しているからなんです。

Embedded Analytics vs Infused Analytics

「Embedded Analytics(組込型の分析)」は、そこまでBIに詳しくなくてもなんとなく聞いたことがあるかもしれません。文脈的にOEMを指すこともあれば、iframeなどを使ってWebページなどに埋め込むことでEmbedする(組み込む)BIという意味合いで聞くことが多いかもしれません。ただ、「Infused(インフューズ)」という言葉自体あまり馴染みのない方も多いかな、と思います。一般的には以下の訳です:

Infuse
in·​fuse | \ in-ˈfyüz \
[動詞]
吹き込む、しみ込ませる、満たす、湯を注ぐ、煎(せん)じる、水に浸す、振り出す

何が言いたいかというと、組み込む場合でも分析を画面に組み込むのはもちろん、「業務」に組み込むことによって、「業務」と「分析」の境界線がなくなり、「業務」と「分析」を同化することも含まれます。まさにこれが今回の記事のテーマで、データを業務のワークフローにそのまま馴染ませていく、意識していなくても分析やデータの活用をしているという状態を作り上げるのが「Infused Analytics(インフューズド・アナリティクス)」です。最近、会社からこんなマグをもらいましたが、Sisenseのミッションは「Infuse Analytics Everywhere」です。

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今回はあえてSisenseの得意な領域の分析を画面に埋め込む/組み込むことは置いておいて、SisenseとZapierの連携し業務と分析を同化する方法について紹介します。

SisenseとZapierの相性

Zapier発音は「ザピアー」)はSaaS版のRPAのようなサービスで、すでに使用しているサービスのほとんどに連携してワークフローを自動化できるんじゃないかなと思います。他にもIFTTTやMicrosoftのPower Automate(旧Flow)がある中で、Zapierを選んでいる理由は2000以上のアプリケーションと連携できるAPIを豊富に持っているというのが理由です。

実はSisenseではデータを元にトリガーする機能「Sisense Pulse(パルス)」で、以下のようにデフォルトでZapierと連携できるUIを持っているので非常に相性がいいです。(メール、Sisenseのモバイルアプリのプッシュ通知、Slackの連携もデフォルトであります。Zapier公式のインテグレーションもUPCOMINGの状態!)

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実際の連携もコーディング一切なくできてしまいます。通り前置きが長くなりましたが、ここからは設定方法を紹介します!

Zapierの設定

実際のZapierの最初の設定は、Zap(ワークフローのこと)を作り、最初のトリガーとなるアプリで「Webhooks by Zapier」を選択し、Trigger Eventに「Catch Hook」を選択します。選択し終わったら、青い「CONTINUE」をクリックし次のステップに進みます。

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Custom Webhook URLが生成されるので、これをコピーします。他は設定の変更はせず、URLをコピーしたまま次のステップに進みます。

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Sisenseの設定

さて、Sisenseで作成されているウィジェット(チャートなどのダッシュボードの1部品のこと)の右上のメニューアイコンをクリックし、「Pulseに追加...」をクリックします。このウィジェットのデータをトリガーとし、Zapier側でキャッチする設定ができるようになっています。

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「Pulseに追加...」をクリックすると、トリガーとなる3種類の条件を選択できるようになっています。条件は:

• しきい値:数値を指定してそれを条件にトリガー
• 自動:Sisenseに標準実装されている異常値検知(Anomally Detection)のアルゴリズムで異常値を検出した際にトリガー
• 常時:データモデルのビルドがされた際にトリガー

しきい値を選んだ際には、以下のように指定した値を基準に大きい値になったか、下回ったか、などの設定ができるようになっています。

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今回はしきい値が、指定した値を下回ったらトリガーされるように設定します。

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右上にある人のタブで、誰に通知するかを設定可能です。今回はZapierと連携するSisenseのアカウントは私のアカウントなので、デフォルトのまま私を設定した状態にします。

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次はトリガーした後に連携するチャネルを選択します。Zapierを選択し、先ほどZapierで生成しコピーしていたCustom Webhook URLを以下のようにURLの欄に入力します。

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トリガーされる条件を満たすアクション(例:データモデルをビルドする、データを更新する、など)を実施したらSisense側の設定は完了です。

ワークフロー自動化の設定

Zapierの管理画面に戻ります。Continueをクリックした後に「Find Data」のテストができるようになっています。ここでWebhookでどんなデータが取得できているかが確認できます。(このデータの変数を活用することも可能です。)

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今回は製造業などに想定できるシナリオをイメージしてください。納期に直接影響する可能性のあるセンサーデータで異常があった時に、営業担当などは携帯電話を持っているので、メールやプッシュ通知など様々な方法で連携できます。ただ、工場などの現場にいる方の場合、常に携帯電話やPCを開けるわけではありません。ここで、役に立つは光や音を発するスマートデバイスです。Zapierで連携可能、かつ私も持っているスマートデバイス「Philips Hue」でスマートライトを光らせることをしてみます。

Philips Hueはスマート家電として使える商品なので、Siriと連携して使えるので家でフル活用しています。このPhilips HueをZapierのアクションアプリとして選択します。Action Eventとして、どのアクションをとるかで「Set Scene」を選択します。

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その次は、Philips Hueのアカウントにサインインし、連携します。

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あとはテストしてZap(ワークフロー)をOnにして完了です!

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こんな感じで、トリガーされると光るように設定しました!今回のシナリオの工場であれば、機械音などのノイズがあったとしても気付きやすい光が適していると思ったのでランプを光らせてみましたが、これを音を発するデバイスと連携してもいいかもしれませんね。

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まとめ

BIと言うと、普通であれば業務を一度止めてからダッシュボードを開いてデータを確認して・・・とマニュアルでアクションするというのが今までのBIの使い方だったかと思います。Sisenseではダッシュボードを開くことなく、条件さえ指定してしまえば、PulseとZapierなどのワークフロー自動化のツールを使って自動化ができてしまいます。ビジネスに直結する他のアイディアとしては、以下のようなことができるかと思います:

•  自社製品のレビュースコアが閾値よりも低い時、Qualtricsで顧客にアンケートのメールを送る
•  Emailやモバイルアプリで通知できないユーザーに対して、
TwilioでSMSを送る
•  在庫システムデータが更新される際に、
Shopifyの在庫数の更新、属性の値の更新、など
•  スナップショットとしてデータベース(SQL, MySQL, Postgresなど)にデータ(行)を追加
•  
TRIGGERcmdと連携してコマンドを叩く(ここまでいくとなんでもアリ)

ワークフロー、業務の自動化。BIで問題だったのはシステマチックにアクションにつなげられるか?また、そのアクションを自動化できるか?でしたが、Sisenseはそれが簡単にできちゃいます。また、「データを使ってこうしたい」というアイディアさえあれば、ノーコーディングでアナリティック・アプリが作れます!

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