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多目的トイレじゃなく多機能だけどまず倫理

多目的トイレがこれだけ話題になるのは、この先ないのではなかろうか? ということで私なりに記事にします。(もう何度もしてるって?)

緊急であり重要なことなので目次なし、で早速いきます!

そもそも本来、今年オリンピック・パラリンピックを日本で開催するっていうことは(延期になったけど)、世界中の車いすユーザーたちが、多機能トイレじゃないと排泄は困難という前提で、あれだけ招致活動もしていたわけだから、トイレのマナーぐらい知っておこうよ、という話。

実は多機能トイレが出てくる短編映画『上にまいります』という作品を2012年に製作しました。心のバリアフリーを描くハートフルな内容です。取材は映画『てるてる坊主と金魚姫』完成後の2009年に開始。多機能トイレに、車いすユーザーではない健常者が入って待たされるのが辛い。そんな声をたくさん聞きました。私も介護士として外出の介助では、よくデパートの多機能トイレの前で何十分と待たされ世知辛い思いをしたことが数え切れないほどあります。
その時の記事 ↓

しかし、ここで気をつけなければいけないのは、外見から障害者と分かりにくい難病や内部障害の方も使用されるという点。それに赤ちゃんのオムツの交換をされる方もいらっしゃいます。

外出の介助の際、このような光景に100回は遭遇していると思います。既にmixi時代(!!)からSNSやブログで度々投稿してきました。15年前ほどから全然改善されないのが現状で、この程度のモラルなんだと愕然とする日々です。

そして2020年。
いまだに多機能トイレ内で事件は起こっています。このトイレでしか排泄できない人にとっては死活問題であることをご存知でしょうか?

想像してみてください。
車いすユーザーがトイレに行きたくなり、多機能トイレを見つけて入ろうとしたら、健常者やカップルが中にいて入れず漏らしてしまったら、あなたならどうしますか?

●その車いすユーザーの友達だったら何を思いますか?
●家族だったら何て言いますか?
●ヘルパーだったらその後どういう行動をとりますか?

トイレはみんなが気持ちよく排泄するための空間です。介護士として、トイレ事情に悩める障害者と大勢接してきました。こんなことでパラリンピックを日本でやれるんでしょうか? トレーニングをされているアスリートの方には誠に申し訳ないですが、倫理的に日本は厳しいと思います。一度は素晴らしい1964年の東京パラリンピックのドキュメンタリーを鑑賞したのですが、まだあの頃の方が差別はあったにせよ理解しようという心構えがあったように感じます。
その映画鑑賞の記事はこちら ↓

外出の介助でトイレに間に合わなかったり、待たされたりで尿失禁・便失禁をした利用者さんと電車で帰宅することもあります。車いすの足を乗せる台や、座面についた尿や便を帰宅後洗ったことも。人間だから排泄はします。ただ大人の方で出先で漏らすのは自尊心が傷つきますし、介助者にも周りの人にも迷惑がかかるという余計な心情に取り憑かれ肩身の狭い思いをされるんです。
介護士として笑顔で排泄物の処理をします。嫌な顔は見せません。むしろ嫌な顔(怒り)の矛先は利用者ではないのです。ご存知ですか? 多機能トイレは別名【優先トイレ】とも呼ばれています。そのトイレでしか用を足せない人を、他人事ではなく自分ごととして捉えることができたら素晴らしいじゃないですか。心のバリアフリーなんていう造語は一気に過去の言葉になるんですよ!

ちなみに誰が命名したのか【みんなのトイレ】とか【誰でもトイレ】という名称のついたトイレも存在します。トイレはみんなもので差別なく誰でも使えますよね? なぜわざわざ誤解を招くようなトイレを作ったのか意味が分かりません。
おそらく2010年前後から ちらほら出没するようになった気がしていますが、ちょうどその頃から外出介助にて、ホームレスの方が身体を洗っている姿を見かけるようになったと記憶しています。ある特定のトイレにはシャンプーがいつも置いてあったり。なので公園などの多機能トイレは利用時間が決まっており、だいたい8時から17時頃までのようです。担当の係員が施錠しに来ています。

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この名称をめぐって10年ほど前に行政と議論しました。障害者団体のデモに近かったと思いますが、介助者として参加してやはり当事者の切実な気持ちを痛感。想像力を働かせばトイレを建設する側も、トイレを利用する人も、必ずや理解し気持ちよく排泄できる環境が実現できると信じています!

排泄しない人なんていないですよね。
もはや排泄は息をする、空気を吸うことと同じレベルです。



スタジオウーニッシュ代表
映画監督 / 介護福祉士:堀河洋平


ちょっこっと宣伝します。

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これより先は100円です。
実際に短編映画『上にまいります』での多機能トイレのシーンをご覧ください。
(約3分)

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現在、ブルーレイを発売しております。「心のバリアフリーを考える」ドキュメンタリーなども収録。短編映画『千里 翔べ』も見れます。
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介護福祉士の『堀河洋平監督短編集』

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