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業界素人から見た、アパレル業界のテクノロジーの変化(ユニクロ、STAMP編)

僕は妻がアパレル業界で働いているにも関わらず、服そのものにあまり興味がないのですが、ここ数日間でいくつか「おお!」と思うことがあったのでなんとなくまとめてみたいと思います。書き出しに迷ったのですが、最初はECの話から始めたいと思います。

ECの返品事情の変化

10年近く前にザッポスが話題になったとき、「返品が無料」と「カスタマーサポートがとにかくすごい(語彙)」ということが注目を浴びて、以降、ザッポスのサービスというのがある種ベンチマーク化されてECのサービスの良さが向上していったように思う。
そんなザッポスの影響もあってか(ザッポスはAmazon傘下の企業)、Amazonもアパレルと靴に関してはprime wardrobeというPrime会員向けのサービスがあり、試着してダメだったら返品というのが簡単に出来るようになっている。

一回だけ使ったことがあるが、着払いで送れるし、返送時の伝票も最初からほぼほぼ記入されているので、近くにコンビニさえあればものすごく簡単に利用できる。

こうしたECでの購入体験の向上は何もアパレルに限ったことではない。例えば、日本ではAmazonをベースに販売している中国系の電化製品のメーカーであるAnkerとかTaoTronicsなんかは、残念なことに使っていると壊れることもあるのだけれど、いくつかのやり取りはあるものの、Amazonの領収書を送れば保証期間内であればあっという間に新しい製品を送ってきてくれる。家電量販店で買うと領収書を保管しないといけないとか手間が発生するが、Amazonの購入履歴調べてpdfを送るだけなので、その辺が本当に楽に設計されている。更にびっくりするのは、壊れた製品を送る前に新しい製品を送ってきたりする。その辺りの収支の面がどういう仕組みなのか正直よくわからないが、壊れても問い合わせさえすれば、すぐに交換が可能かもしれないとわかって商品を買うことが出来るのはとても心強い。僕は日本企業の製品が故障したときにサポートに問い合わせて、いい気持ちで終えたことが一度もない。こうして、ECにおける返品の体験性というのはどんどんと良くなっている。
と書いたところでややちゃぶ台をひっくり返すような話だけれど、そもそも可能なら返品なんてしないで済むほうがいいに越したことはない。特にそれが欲しい商品であったならなおさらのことだと思う。そうしたものを事前に防ぐテクノロジーが徐々に生まれてきているように思う。

ユニクロのMySizeAssist

ユニクロのアプリでいろいろと見ていたら、MySizeAssistという機能が入っていた。身長・体重、お腹の形、胸の形を選択するだけでオススメのサイズを教えてくれる。

https://www.uniqlo.com/jp/ja/contents/mysize-assist/

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特に2つのサイズで迷うことがある体型の人向けのサービスだと思う(僕はMかLかで迷うのでとても助かる)。オプションで年齢や着心地(ゆったりとかぴったりとか)を選択すると、レビューのデータから得たオススメのサイズも教えてくれる。買う時点でのサイズに関する期待値をかなりいい感じに調整できるサービスだと思う。

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提供しているのはFit Analyticsというベルリンの企業で、サイトを見るといろんなブランドに機能提供しているようなのでアパレル関係者であればみんな知っているのかもしれない。

ジーンズのD2Cブランド「STAMP」

もう一つはSTAMPというジーンズのD2Cブランド。製品はジーンズ一つだけで、自分の体型に合ったジーンズを作れるということで昨日サイズの計測を体験しに行ってきた。

入り口はこんな感じで知らないとお店だかなんだかわからない店構え。

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予約等が全てLINEでのコミュニケーションをベースに構築されており、この日もLINEで予約した時間に来店している。行くとiPadが置いてありQRコードをスキャンするとLINE上でチェックインのコードを送信することができる。

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中に入ると3Dスキャナが置いてあり、基本的には一人で計測していく。

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計測手順はこんな感じ。計測そのものはあっという間のため、着替え等含めても10〜15分くらいで終わる。

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計測が終わると、LINEに計測が終了した旨が送られてくる。とにかく人と話すことなく自分のリズムで淡々と進めることができるので超ラク(今はリリースしたばかりということで、終わった後簡単なインタビューがあるが、いずれは基本計測して終わりという感じになっていくと思われる)。

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購入後もLINEをベースに進捗等が送られてくる。発送が4週間前後と待ち時間が長いので、こうした細かい配慮が嬉しい。

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ということで実際の商品を手に取るのは少し先なのだけれど、ネットをメインにしたオーダーメイドの商品でありながら限りなくミスマッチを減らすための施策になっている(もちろん、それがメインの目的ではないのだけれど)。

ZOZOスーツが夢見た未来と現在

この辺りのことをいろいろすっ飛ばしてやろうとしたのがZOZOスーツで、発表をしたときの未来感はもの凄かった。ただ、実際に世の中に届けられた計測方法やプロダクトについては、実際に試した人たちからの悪い評価が多かった。僕もスーツでの計測は試したけれど、自宅があまり明るくないためか、計測がめちゃくちゃ面倒だったのを覚えている。これに関する総括みたいなものを見たことがないのだけれど、当時のスマホのパワーであったり、テクノロジーの条件的に厳しかったんかな…という思う。

実はユニクロもZOZOスーツ的なスマホで体型を計測するMySize CAMERAという機能があるみたいだけれど、自分のアプリでは別のアプリの紹介が出ていて表示はされなかった。

https://www.uniqlo.com/jp/ja/contents/mysize-camera/

MySize CAMERAを提供しているBODYGRAM社はWWDにこんなPR記事を出しているので、おそらく国内の企業にアプローチをかけているだろうと思うので、いずれ様々なECに実装されていくのかもしれない。

ユニクロのMySizeAssistも、STAMPの計測室を使ったオーダーメイドもZOZOスーツが描いていたビジョンからは一段も二段も落ちるのかもしれない。ただ、着れなかったり、全然合わない商品が届くよりは遥かに良い訳で、今のテクノロジーで創ることの出来る最上の体験はここなのだろうと思う。ただ、もう将来のビジョンは描かれている訳で、これが最終形ではないのだろうということもわかるので、今後の発展が楽しみだと感じた。

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