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新スナック学講座やってみて、の備忘録①

「余白をデザインする新スナック学講座」は、23/8/5の最終発表をもって終了しました。そこでひとりひとりの参加者が発表した「こんな新スナック、はじめます!」の企画はそれぞれの形で次のアクションに動き始めています。それについても今後ご紹介していきたいです!

今日ここでは、自分のために、備忘録を残すことにしました。いつかまた場づくりに関わる講座をやることが・・・あるかどうかわからんけど・・・その時に役立つように!

備忘録①では、講座全体で「やったこと」と私が「かんじたこと」
備忘録②では、私自身が「余白」「新スナック」をどう考察したか
書いておきたいと思います。この講座中に、結のはじまりを閉店する決心がついたので個人的には重要なので!

この講座自体がどんな「場」か

・主催者が「余白をデザインする」方法を知っているわけではありません。講座のタイトルは、「余白をデザインするとはどういうことか?」という問いであり、祈りでもあります。
・ここに集まった8名+スタッフ3名で「ともに考え、ともにつくる」場です。
・このメンバーで、いま、この時にしか生み出せないアウトプットをひとりひとり、あるいはこのチームで、つくっていきたいし、それが「スナック的」だと思っています。

西田卓司さんがまず最初に講座参加者のみんなと共有してくれたこと。

運営陣の3者の役割

そう決めて始まったわけではないのだけれど、講座づくりを進めるにつれ、私たち3人の役割は自然と以下のようになっていきました。

新潟県阿賀町 阿賀野川にて。左から 古谷・西田・加藤


・古谷かおり(スナックネーム:かおりママ)
スナック的要素のある居酒屋「結のはじまり」を運営してきた経験から、具体的な要素や出来事を話す人。教えるのではなくて、あくまで経験談として。講座後半は、参加者ひとりひとりが「こうしたい」と語ったことに「そうなんだね」と寄り添う立ち位置になっていった。(のちに、寄り添うだけでは足りないと気づく。)

・西田 卓司(スナックネーム:あかちゃん)
場づくりと講座づくりを長年たくさんしてきた人。今回の講座づくりのコンセプトや要となるポイントを示していってくれた。私は西田さんのことを「意図を意図ではないようにシレッとできる人」だと感じていて、ワークショップ中に起こりがちな「拍手」をしないと決めたり、参加者の企画に思いもよらない方向から「それってこうなったら面白い」と変化球を投げることで創造性を誘発させたり、とにかく神業をシレッとやってのけていた。

・加藤 恵美(スナックネーム:しんちゃん)
普段から西田さんと並んで高校生の放課後学習支援や地域との関わりづくりをしている人。今回の講座の事務局機能はほぼ彼女が!講座運営の8割が事務局の手腕によるのだということが良くわかった。私と西田さんが空中で語っていることを、地面に着地させてくれ、二人の会話が迷子になった時や、ワークショップ中に参加者が煮詰まった時などに、新たな角度から「それってこういうことかなって感じました」と、一本の芯を通してくれる存在になっていった。この人こそディレクター。

計5回の講座を通じてやったこと

こんなヘンテコな講座に応募してくれたみんなとの出会い

募集時、応募フォームの入力欄には、以下のような、本気度が試される項目が並びました。

・「これまでの経験を踏まえて、余白をデザインする新スナック学講座の受講を志望する理由をご記入ください(300~400字程度)」
・「余白をデザインする新スナック学講座で挑戦したいことを教えてください(300~400字程度)」

最終的に応募してくれた8名が綴ってくれたのは、私たち主催者の予想を超えた、場づくりに対する熱意や、「自分だったらこんな場があってほしい」という、切実な願いでした。

オンラインをベースにした講座ということもあり、参加者の居住地は様々で、北は新潟、南は高知から!
全国にはこんなに、場づくりに対して熱意のある人たち居るんだ!ということにまず驚きました。そして「もしかしたら同志に出会えるかもしれない・・・」という期待がジワリ。この予感は叶うこととなりました。

事前課題「あなたにとって"スナック的"なこと・キーワード」

「新スナック」という講座名に何らかの可能性を感じて参加してくれたみんなでしたが、いわゆるスナックには行ったことがない人や、お酒を通じたコミュニケーションは苦手な人も少なくありませんでした。では、あなたが可能性を感じている"スナック的"な要素はどのようなことなのか?それを書き出してもらいました。

・バックグラウンドの異なる人同士がフラットに話せる場所
・ママをハブにして繋がる場
・身構えない空間
・アットホーム、あたたかい、おかえり、ただいま
・店員とお客の境界があいまい

などなど・・・。

もちろんそれぞれの人が抱いているニュアンスは異るのですが、みんなが"スナック的な場づくり"において願っている世界観や、共通点などが、これらの要素たちを聞いた時に少し見えた気がしました。

第1回:6月4日(日)「スナックって何?」

参加者のみなさんと、スナックの機能や「スナック的」であることについて語り合いました。
後半は、結のはじまりを例に「スナック的な場を構成する要素」というお話しをさせていただきました。前半ではなくあえて後半に講義を持ってくるのが、さすが西田さん・・・!「誰かが教える」のではなく「参加者がみんなで学びをつくる」ということを前提にしているんだよね。
以下、プレゼンテーションの一部をご紹介。

この日、「あなた自身が発している雰囲気がすでに"場"だと思うんです。」と伝えた時、みんなの熱量が少し上がったような、私の本気がみんなに伝わったような、感触がありました。私にとって初めての講座だったこともあり、内心とても緊張していたのですが、波に乗せることができた手応えに、安堵しました。

レポート課題

・実際に"スナック的"な場所に行ってみて、そこで見たこと・感じたこと。
・自分にとって"スナック的"な場で大切にしたいこと
を書いてきてください。

第2回:6月17日(土)「スナック的空間についてのクロストーク」

私と西田さんとで(司会:加藤さん)クロストークをしながら、参加者のみんなにもどんどん会話に入ってきてもらおうとしたのですが、実際は私たち二人が爆裂的に話しすぎちゃったかもしれません汗。

それが功を奏して・・・と言って良いのかわかりませんが、参加者のみんなの中できっと「感じたことのアウトプット不足」が溜まっていたこともあり、講座後に一人の子が「オンラインで集まれる人で話しませんか?」と提案してくれて、自主的な「オンラインスナック」が開かれるようになりました。こういう動きが生まれるなんて!さすが場づくりを思考する人たちです。

第3回:7月1日(土)~ 2日(日)「現地開催@結のはじまり スナック×〇〇を考える」
私の居る福島県・楢葉町に来てもらい、1泊2日の合宿。

よくぞ全国からみんなきてくれました!

初日は、日中に「原体験を掘り下げるペアワーク」
夕方からは結のはじまりに移動して「お試しスナック」を開催しました。

<原体験を掘り下げるペアワーク>
人生の転機になったシーンは?
ペア相手の話を聞いて、印象に残ったことを付箋に書いてください。

西田さんのつくるワークは、いつも「ジャッジしない」構造になってる。
「転機」も「印象」も、良し悪しのジャッジを含まないから言葉に詰まらない。
楢葉町の「木戸の交民家」にてペアワーク



<結のはじまりでのお試しスナック>

この企画のために集まってくれたお客様たち。改めて、ご協力ありがとうございました!
「割烹着」を着ることによってキャラクターを付ける子も。
それってどこですか?という質問に応えて、地図を書いてくれている。両者嬉しそう。

お試しスナックをやる前には、あえて細かなことを教えたりはしなかったのですが、接客にまつわるいろいろなことを、もうちょっと事前にお伝えしておいたほうがよかったか・・・少し反省点です。(今回の講座で、接客術のようなものは主軸ではなかったので。)

体験を終えて振り返った彼女たちからは、
「会話をつなげるのに困った時もあった」
「料理に必死で・・・食材についての想いをしゃべる余裕がなかったから、事前に紙に書いておけばよかった。」
「地元の人は、双葉郡全体のこと、というよりは、自分の住んでいる"町"という単位や、もっとすごく狭い生活圏内のことを話すんだ!ということが発見だった」

この企画のために来店してくれたお客様たちからもフィードバックをいただき、「なぜこんなにも福島県のことを"好き"といってくれるのか、それがわかるような自己紹介の仕方を考えても良いかも」というコメントには、みんな「確かに!」と頷いていました。

カウンターに入る前はすごく緊張して「どうしようどうしよう」とオロオロしていた彼女たちが、カウンターに入った途端、輝いた。それを発見できたことが私にとってこの上ない収穫です。

こんなふうにして、初日は怒涛のように「ママ体験」を終え、2日目はその体験を踏まえて自身の企画書をブラッシュアップしていきました。

2日目の朝に、みんなが散歩に出掛けてくれました。
楢葉のことを感じていただくのには、散歩が一番いいみたい。


現地合宿を終えてからは、中間発表、そして最終発表へと畳み掛けていきました。

第4回:7月22日(土)「中間発表 わたしのスナック×〇〇」

第5回:8月5日(土)「最終発表 こんな新スナック、はじめます」

みんなの発表内容も紹介したいところですが、この備忘録ではここまでにしておきます。みんなとの約2ヶ月を経て、一緒に学んだ一人として、私自身が「余白」「新スナック」をどう考察したかを次回書いておきたいと思います。


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