2021年12月22日

嵐の前の静けさなのだろうか。新型コロナの新規感染者数は減少傾向が続いている。人口10万人当たりの直近7日間の新規感染者数は21日時点で306.4人となり、ピーク時の11月29日(484.9人)から37%減少した。これまでの経験からすれば、このままさらに減少していくことが期待できるはずなのだが、今回はそんな発言をする専門家は誰もいない。オミクロン株の感染が爆発的に増え瞬く間にデルタ株を上回った英国の状況をみれば、楽観の余地はないのだろう。オミクロン株の感染が急増しコロナ感染者数が増加に転じるのは時間の問題である。オランダはオミクロン株の感染爆発を予想して、同株の感染者数が現時点で比較的少ないにもかかわらず、ロックダウンに踏み切った。

ドイツでもロックダウンを求める声が出ているが、オランダのように突然、実施することはないもようだ。カール・ラウターバッハ保健相は19日のテレビ番組で、少なくともクリスマス前には行わない考えを表明した。

クリスマスは多くの家族にとって1年で最も重要なイベントであり、これに水を差したくないのだろう。遠からずやって来るであろう嵐の前に、普段は離れて住む家族や友人同士がともに過ごせるようにすることはある種のクリスマスプレゼントだと思う。後になって「あの時点でロックダウンを行うべきだった」という反省が出ないことを願う。ドイツで生活する一人ひとりの責任が問われることになる。

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