トウキョウ
「トウキョウの空は狭いから嫌い」
3年前の4月、私は当時好きだった男の子にそう話した。
空は狭くて、街が人で溢れ返っていて、
それなのに、なんか冷たくて、
嫌だった。
そんなトウキョウにもすっかり慣れた頃、
また、別れはやってくる。
高校生活最後の寄り道。
隣にはいつもの2人、他愛の無い会話、大きな交差点、信号を待つ、空を見上げる、
「またね…、元気でいてね!」
3年目にして初めて口にする言葉を友達と交わして、ひとり、電車に乗る。
いつもと変わらない電車の発進音。自宅最寄りのホームに足をつける。改札を通って、顔を上げる。
私の街の空は、トウキョウの空よりも
ずっと、ずっと、狭かった。
「トウキョウ」に、当てはまる言葉は、
きっとこの文を目に留めてくださった人毎に変わるのではないでしょうか。
3月になりました。
別れの匂いが1番強いこの季節に、
自分のノートやスマホのメモに書き留めてきた言葉たちを、広い世界に放ってみようと思います。
素敵なあなたに見つけてもらえるといいな。
好きな曲を聞いて、感じた思いを
画面の向こうのあなたにも一緒に考えてもらえるような、
できる限り余白のある物語を。
東京 / くるり
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