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大阪高島屋ですてきな北欧デザインに出会えました。

こんばんは。yohaku_2020です。

今回は、8月中旬に大阪高島屋で開催された「ていねいに美しく暮らす 北欧デザイン展」をご紹介します。

椅子研究家の織田憲嗣氏が収集した8000点を超える家具や日用品の中から選りすぐった逸品が展示されるというもの。
展示会の構成説明は下記のとおりです。

北欧の有機的で美しいデザインには暮らしや思想が強く影響しています。北欧では19世紀末から「美が人生を豊かにする」という考え方が浸透し、現在の北欧社会の豊かさにつながりました。
本展では、椅子研究家の織田憲嗣(のりつぐ)氏が収集、研究してきた家具や日用品をもとに会場を5つの章に分けて構成。約8,000点に及ぶ所蔵品から厳選した約400点を展示する、織田コレクションの全貌に迫る初の展覧会です。
北欧のデザイナー総勢70名以上による作品を展示し、ハンス J・ウェグナー、タピオ・ヴィルカラなど巨匠10名については特集してご紹介。また、現地で暮らす人々の日常生活の映像もご覧いただきます。北欧のデザインがもたらす力に改めて気づくことのできる展覧会です。

大阪高島屋HPより

興味を持ったきっかけは、SNSで目にした広告でした。
「北欧」「デザイン」「ていねいに美しく暮らす」など、そそられるワードが目に飛び込んできて、即座にHPをチェック。

恥ずかしながら、わたしは織田憲嗣さんという方を今回初めて知りました。
展覧会のHPに掲載されている説明文から得た、「椅子研究家」「北欧デザイン家具、日用品のコレクター」くらいの浅い知識のまま会場へ。

会場に入るとすぐ、色とりどりの鳥のオブジェがずらりとお出迎え。
これだけでテンションが上がります!

北欧って鳥のモチーフをよく使いますよね。

そのまま奥へ進むと、さっそく椅子の展示ブースに。
イルマリ・タピオヴァーラ(ファネットチェア)、エーロ・アールニオ(ボールチェア)など有名な名作椅子の巨匠はわかりましたが、正直まだまだにわかな私にとっては知らないデザイナーのほうが多かったです。
もしかすると、ものすごいレアな逸品を素通りしてしまったかもしれません。

それでも、それぞれの椅子にストーリーが添えてあってじっくり見ていくととても興味深かった。

パスティレ(エーロ・アールニオ) ボールチェアの中に収まるようにサイジングされているそう。それによって輸送コストを抑える効果が。デザインだけでなく、そういったコスト面まで考えて製作していたんですね。
ラケットチェア(ヘルゲ・ヴェスタゴー・イェンセン) ラケットにボールがぶつかっているようなデザインがおもしろい。テグスのような細い糸で背面が構成されているように見えますが、しっかりもたれても大丈夫なんでしょうか。。
エルドラド(マッツ・テセリウス) 量産ではなくアートピースとして生産された作品。ネットでもほとんど情報がなかったです。黄金色の鹿の皮のシートと錆びたアイアンのフロント部分のコントラストが際立っていました。レア感すごい。
いやー全部座ってみたい。やっぱり曲線が美しい作品が多いですね。

会場のパネルに「椅子は自分の居場所」というキャッチフレーズを目にしました。
年間の日照時間が短い北欧。夜が長く家の中で過ごす時間も自然と長くなる。
そんな生活スタイルだからこそ、家の中の自分の居場所は大事で、それをやんわりと作ってくれるのがパーソナルチェアということのようです。
わたしも、実家に住んでいるとき自分のスペースをとても大切にしていたのでよくわかります。

その先のブースもさらにテンションが上がる構成になっていました。
ヤコブセン、アアルト、フィン・ユール、カイ・フランク、ウェグナーとド巨匠のレアな作品が贅沢にずらり!
心のなかで、「ワーワー」と小さく叫んでしまうほど大興奮。
思わず写真も撮りまくりました。

ザ・チェア(ハンス・J・ウェグナー) これだけの巨匠が、「THE」ってつける椅子ってあらためてすごいことですよね。
アルヴァ・アアルトのコーナー。ポスターかわいい。。
iittalaで人気のサヴォイベース。年季の入った木製ツールとベースの吹込み型も見れました。これをコレクション出来るってどういう人脈でしょうか。


カイ・フランクのガラス製品。瓶のキャップが繊細で独創的。ブルーの鮮やかさも会場で際立っていました。
ティモ・サルパネヴァの陶磁器。iittalaのiのロゴは彼のデザインだそうですね。知らなかった。

次のブースでは、北欧邸宅の1室を日が落ちて照明が灯るまでの一連の流れで演出している空間。
展示品の前に名作椅子8脚が並び、そこに腰をおろしてじっくり照明の演出を眺められました。
Yチェア、セブンチェアの他、ファイナルチェアやエルボーチェアなど買い揃えるにはかなりの額になる逸品に遠慮なく座れて至福の時間でした。

家具の配置も配色も小物使いも好みドンピシャで、この空間を手掛けたデザイナーさんに弟子入りしたくなりました。
名作椅子から眺める北欧の一室。

眼福な作品たちを一気に見て、最後の方はなんだかぼうっとしてしまいました。

今回この展示会に行って思ったことは、北欧と日本てやっぱり通づるところが多いということ。
北欧ならではのカラフルな色使いも多いけど、ミニマルで機能的なデザインが日本の小さな家にも合うし、世代を超えて長く使えるようにと物を大切にする考え方も似ているように感じました。

20世紀は激動の時代。
戦争や産業の急速な発展の流れの中で生まれたデザインたち。
見た目の美しさだけじゃなく、生き残れるタフさとしたたかさを兼ね備えて凛とした佇まいをしていました。

入場料は1,000円とは思えない、大満足の展示でした。
あらためて、織田コレクションの収集力のすごさと実感しました。さらにまだ20倍の所蔵品があるということで、もう想像がつきません。
まだまだ私の知らない名作はたくさんあって、これからも生み出されて行くと思います。
一生で見切れる数ではないですが、こういった展覧会があれば多少遠くてもまたぜひ行ってみたいと思いました。

おもわず買ってしまったウェグナーのポスター。

今回は、展示期間の最後の方に訪れ、終了してからの投稿になってしまいましたが、今後はできるだけ開催中に投稿していきたいと思います。

ではまた。

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