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#アラサー #20代

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#何者

特別への執着を手放す、大人になるということ

「これから先、毎日この道を行き来するのが人生なのか」 ふとそう思った時が“大人になった瞬間”なのだとしたら、僕らはようやく大人になれたのかもしれない。 あの時思っていたほど、死んだ顔したサラリーマンを満員電車で見かけることはなかったし、東京で消耗した大人にも出会わなかったし、パソコン1台で稼いでいる大人だけが憧れの対象でもなかった。 一人でカラオケに行く、好きな人に告白する、大学を辞める、仕事を辞めて転職する、自分なりに一歩踏み出した経験は数多あるけれど、今となって振り

"何者かになりたい"という暇人の欲求

何となくモヤモヤして、何となく自分と向き合っているうちに、都合よく連休は終わってくれる。 そしたら、またいつもの日々が始まって、目の前にある仕事をこなしていればそれで良い、そんなどこか物足りないようで実は満ち足りた日常が戻ってくる。 飲み屋で愚痴をこぼす人も、朝の電車でSNSに憂さ晴らしをする人もみんな、嫌だ嫌だと言いながらもちゃんと仕事をする。連休で時間ができて、このままで良いのかな?なんて考えてみるけれど、結局何も変わることはなく、日々を過ごしていく。 人生とはきっ

悩む自分のことが好きなだけ。気配のない眠気を待ち続ける夜

「眠れない」 ディズニーランドへ行く前夜とか好きな人に会える前夜とか、「明日が楽しみ過ぎてこのまま眠れなかったらどうしよう、何ならもう今日じゃん」なんて考えた、忘れられない夜が確かにあった。 「眠れない」 年齢を重ねたから、いや、年齢だけを重ねてしまったからなのか、“それっぽいこと”が書かれた本ばかり読むようになってしまったからなのか、小難しく考えるのがカッコいいと思ってしまう年頃だからなのか、夜、頭の中が活発に思考する。 「自分のやりたいことってなんだろう」 「自分

まだ社会人という仮面を被っただけの、青くて不安定な僕ら

あれだけ「今か今か」と満開を待ち侘びていた桜も、いざ散ってしまえば、待ち侘びていたことが嘘だったかのように、僕らの頭の中から消えてしまう。 桜の花びらと希望を纏って歩いたあの日から、僕らはすっかり社会に揉まれてしまったらしい。 社会人1ヶ月目、想像以上に自分はできないヤツだと知った。 新しい環境、想像以上に自分は歓迎されていないと知った。 相変わらず、自分は何者にもなれないと知った。 あの日纏っていた桜の花びらも、希望も、たった数週間で十分すぎるほど踏み潰された。 下

ぜんぶ、東京のせいにして良いですか

何者かにならなきゃと焦ってしまうのも、若いうちに成功するのが正しいと思ってしまうのも、とにかく何かしなきゃと気持ちが落ち着かないのも、全部、東京のせいにして良いのかな。 自分のペースで、自分らしく、自分の身の丈に合った生き方を、ただそうしていたいだけなのにうまくいかないのは、東京のせいにして良いのかな。 東京という“リアル”の中で生きているはずなのに、SNSのような、“one of them”の世界を生きている感覚だ。 「東京」という大きな世界の中で、何者でもない一人と

何者かであるために、僕らは自分をアラサーと呼ぶ

僕らは、自分が「何者であるか分からない」と日々悩みつつも、何とか何者かであろうとしている。 「アラサー」 というのも、自分が何者であるかを表現するための一つかもしれない。 僕らは自分が何者であるかを表現する時、 といった要素で、自分が何者であるかを構成していく。 そこに、「アラサー」や「独身」といった肩書きも付け加えて。 少しでも華を持たせたくて、検定や資格、学生時代に獲った賞を何とかかき集めて履歴書を埋めていくように、「何者であるか」を表現しようとする。 ああ

25歳、息するように感じる不安と焦り

20歳を超えてから、希望や期待よりも、不安や焦りの占める割合が年々高くなってきている感覚がある。 何もしない時間を過ごせば焦燥感に駆られ、だらだら眺める画面の先の他人の人生に「自分はどうなんだ」と不安を感じる。 昔は、何も考えずただただ直感で生きていた。 もちろん、当時は当時の自分なりに考えてはいた。 けれど、年齢を重ねるにつれ、築き上げてきたものや得たものも、少しずつではあるがそれなりに増えてきて、徐々に“手放す”ハードルが上がってきている。 「やっちゃいますか!

副業したいけど、副業したいわけじゃないってことか

お金を稼ぐため、スキルアップのため、ゆくゆく本業にするため。 副業を考える理由はそんなところだろうか。 副業、複業、パラレルキャリア、働き方が多様化したり、「働く」という既存の概念がアップデートされていく中で、誰しも一度くらいは考えたり頭によぎったりする。 ネット上に転がっている「副業の目的が何か」という調査結果を見てみると、おおむねこれらで合っているらしい。 実際のところ、どうなんだろうか。 「何者かになりたい」と日々願って止まない僕らのことだから、きっと、 そ

「知り合いがYouTuberなんだよね」なんて言っているうちは

20代前半くらいまでは、活躍している知り合いや我が道を行く同級生を、どこか他人事のように捉えていたけれど(他人なのだから、そりゃそうなのだけど)、段々他人事のようには思えなくなってきたというか、素直に喜べなくなってきた。 昔は、 「知り合いがYouTuberで、チャンネル登録者数十万いるんだよね」 「同級生が起業して、今どこどこに住んでいるんだよね」 「学生時代の友人が、〜〜で全国1位なんだよね」 なんて、どこか誇らしげに言えていたけれど、 「いつまで“言っている側”