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no title

墜落した宇宙船に乗り込む、座席には誰もいなくて一人きりの空間、窓の外には暗闇と散りばめられた星々、燈に包まれ眠る数億光年、数え切れない夢をみて目を覚ました。朝も夜もない不思議な旅の途中、亡骸のように彷徨う破片に触れて教えられたこと、今という時間が愛おしくも価値の無いものだと。笑えるほど悲しくて、痛いほど愛おしい、心の機微に認める、指先に揺れる、微睡む瞼にのみ映る心象はいつも色鮮やか、途方も無く未知のはずなのに見知った将来像ばかり、書いていたはずの日記は場所も忘れてしまったし、君の言葉だって正しくは受け取れてなんていない。風にも乗れない重みの増す船内には散らばった雑念と枯れた花々、浮遊するのは人生ばかり、困ることもなく困る、そんな日々の繰り返し。暗いことばかり呟いていても仕方ないし、と楽観的に朗らかなことを呟ければいいのだけど、僕は君のことをくすりとも笑わせることなんてできない、そんな僕の隣にいてくれる君にはどんな魔法がかかっているのだろう、瓦礫だらけの船内には軋む音も掻き消されてしまう、このままもっと深くに、遠くに旅にでてしまいたい。もうすぐ明け方になる、朝が迎えに来る前に出掛けよう、億光年の燈を頼りに暗がりを、彼方へ。

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