「Ghost of Tsushima」体験したかった時代劇の全てがここにある
もともと時代劇好きで鬼平犯科帳とか編笠十兵衛とかいろいろ見てきたけど、まさに体験したい壮大な時代劇がここにあった。
蒙古に占領された対馬を開放するため武士の生き残りである主人公、境井仁は武士道に背く手段を駆使しながらも島民を守って戦っていくのだけど、単に合理性から武士道を否定する話ではなく、なぜ武士に規範が求められたのかという点も同時に示唆されていくところが秀逸。
登場人物とそのエピソードもどれも素晴らしく、正直まったく好きになれない人々に対する思い入れが深まる。多くは主眼として道や家、教えなどに縛られる苦しさと、だからと言ってそこから脱却すればいいというわけでもない複雑な心情が描かれている。
戦闘も本当によくできており、相手の防御を崩して切り込む、相手の武器によって構えを変えて対応する、くないや煙玉など様々な暗具を使って隙を作る、時には暗殺し、時には一騎討ちで敵を葬るなどあらゆるシチュエーションを楽しめるし自分好みに戦える。
感心したのは探索で、和歌、温泉、装具、文と書状、蒙古の品など集めるものが大量にあるが目的に向かって風を吹かせるというシンプルなシステムで迷うことなくコンプリートできるという点。探索の良さは失われず、かつどうしてもわからないものは出ないという見事なバランスだった。