「ポケットモンスター ソード・シールド」初心者がやるべきポケモンはこれ!

*ネタバレというほどのものはありません

私は買ったゲームはエンディングまではたいてい遊ぶタイプですが、かこに「ポケットモンスター リーフグリーン・ファイアレッド」「ポケットモンスター アルファルビー・オメガサファイヤ」「ポケットモンスター サン・ムーン」「ポケットモンスター ピカチュウ・イーブイ」と遊んでどれも見事にジムバッジを4〜5個集めたあたりで物語が希薄になり、初期にいいと思ったポケモンが戦力外になってやめてしまう、というパターンでした。それでもポケモンは常にワクワクする背景世界と遊びやすいシステムで進化を遂げており、数作ごとに遊んでしまうわけです。

 特にピカチュウ・イーブイは初心者向けに難易度低めで最初のパートナーであるピカチュウ、イーブイは様々な属性の技を憶えさせられためかなり優遇されており、誘導もわかりやすい……と思っていたけれどもヤマブキシティでロケット団を撃退したあたりで失速。そういえばファイアレッド・リーフグリーンもそうだった! という記憶が蘇りました。

という過去にも関わらず懲りずにあまり間を置かずに出たソード・シールドはソードを買ってプレイ開始。しかしこのポケモン、いつもと違う! どこが違うのだろう?

まず物語の展開は割といつも通り。あまり物語が主張してこないポケモンらしい感じ。しかしイベントが細かくあちこちでケアされている。次にライバル。これまでのライバルはなんだかんだ言って主人公より弱いのに上から目線。しかし今回のライバル、ホップは「チャンピオンになる!」という意気込みは上々だが最初のポケモン選びで主人公が選んだ属性に弱いポケモンを選んでしまったり、どんな時でもまずひつじポケモンのウールーを出してくるという愛すべき格下。一方でホップの兄、ダンデは不動のチャンピオンで主人公、ホップともにダンデを倒すことが目標となる。実際のところホップは弱いので、主人公はダンデの背中を置い、ホップは主人公の背中を追いかけてくる。主人公のバトル中の行動にいちいちおどろき、ポケモンバトルにおいて何が重要なのかを確認させてくれるキャラとして機能しているのだ。

ポケモンバトルの位置付けも面白い。ポケモン世界はポケモンの活用によって世界が成り立っている。なのでロケット団などの組織もそれを悪用する組織という位置づけだった。ではバトルは? というとポケモンの習熟度を示すバロメーターとして使われており、バトルが強い=ポケモンに詳しいと私は解釈していた。今回もその基本は変わらないが、今回のバトルは明確にスポーツ、そしてエンタテインメントとして社会に認知されている。ジムも街中にひっそり建っておらず、それぞれの街にはスタジアムがあり、ジムリーダーがいてジムバトル用のユニフォームに着替えた主人公は試練を突破し、満員の観客の中、一対一でリーダーと対峙することになる。このときの声援、そして音楽の盛り上がりはすさまじく、一度ジムバトルを経験したら記憶に残り続ける。特に今回の新要素であるダイマックスでポケモンが巨大化してぶつかりあう瞬間の興奮は過去のポケモンにはなかった味わいが感じられる。

主人公はチャンピオンに挑むため各地のジムを突破し、ジムリーダーを倒してジムバッジを集め、決勝トーナメントを目指す。同時にホップほか、挑戦者となる他のトレーナーも同様に各地を回っており、あちこちでライバルとして遭遇することになる。これらジムリーダー、そしてライバルたちのキャラの立ち方も非常に良い。リーダーも老若男女取り揃え、スタンスもそれぞれ。あくまで関門として主人公を試してくるやつもいれば常に全力という相手もいる。最初は属性の相関さえ気にしていれば勝てるが、途中からは相手のジムリーダーがそもそも属性の相関をついてくることを前提に様々なテクニックを見せつけ、同時にポケモンバトルの奥深さを教えてくれる。ライバルも同様で、最初は未熟で単調な構成だが後になればなるほど巧みな構成と技の使い方をしてくる。これは弱小ライバルと思っていたホップも同様で、何も考えずにウールーを投入してくるようなバトルは影を潜め、本気でバトルに勝ちたいと意志が見えてくるのだ。そうなるとこちらもウカウカしていられず、お気に入りのポケモンでレベル差で潰す、みたいな事を言っていられなくなるのだ。

物語の展開も素晴らしく、ライバルたちの生き様やそれぞれの街の事情などが垣間見え、最終的にはガラル地方の未来に関わる大きな話になっていく。そこに至るダンデの言動と振る舞いがポケモンチャンピオンのなんたるかを後輩たる主人公に示してくれる。かっこいい。

システム的にももちろんいろいろ洗練されている。ポケモン図鑑には物語の進行に合わせたおすすめポケモンが表示され、何を捕まえれば良いか把握しやすい。また、そう感多すぎて憶えられない問題は一度戦った相手に対して技が効くか効かないか明確に表示されるようになって把握しやすくなっている。レベル上げや捕獲が面倒という問題も、広大な敷地を誇るワイルドエリアに行けばだいたい解決。また、キャンプをすることでポケモンとの絆を深めつつ回復し、経験値も得られるおかげでバトルをしてはキャンプで遊ぶという夢のポケモン生活が展開していく。気難しくいかつい顔のポケモンがじゃらされていく様子はまたたまらないものがある。

そんなわけで、今回どうしようかなと思っている方やポケモンやってみたいけど〜という方は今作、ソード・シールドが圧倒的におすすめ。ポケモン入門として、奥深さを味わうものとして非常に良かったです。スタジアムでの興奮、そしてチャンピオン戦での息詰まるバトルを味わって欲しい。

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