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NIKKOR Z 50mm f/1.8 Sが切り取る時空間の境界線

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S、このレンズを買ったのはZマウントに移行してから1年半程。それまでは24-120mm f4、105mm f2.8 MCのZマウントレンズや、スーパータクマー等のオールドレンズを楽しんでいた。
私がこのド定番レンズをあえて買わなかったのは、皆が絶賛する流れに対して逆張りをしていたからかもしれない。結果私は流行に遅れるような形で買ってしまったのだが、実際に使ってみると確かに信仰するのも納得のクオリティだと感じる。この価格とサイズ感で期待以上の写真を出してくれる。

光の当たるところはもちろん、陰影の質感も手に取って分かる

特筆すべきはその描写力だ。高画素機との組み合わせなら画面隅まで精細なディティールを残すことが出来るだろう。

画面端にある屋根のディティールや人物の表情を現実世界との乖離なく残せる

50mmという標準単焦点レンズが万能であることは言うまでもない。使用シーンは数知れず、あらゆる状況でこの描写力が使えるのはカメラマンとしてのアドバンテージにもなると思う。同価格帯でMFレンズの「Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical Z」をメインで使用していたが、オートフォーカスが使えるのもスナップ撮影ではとてもありがたい。

横で撮影後に縦でトリミング

空に露出を合わせ、後からシャドウを持ち上げた。そうとは感じさせない質感である。開放F1.8でこの写り、今までの私のレンズ常識を破壊してくる。

群衆一人一人の表情も分かる

このレンズさえあれば撮れないものは無いと言い切っていいだろう。開放で人物撮影やテーブルフォト等、有難みを感じる場面はきっと多いはず。唯一の不満点を上げるとすれば、意外にも最短撮影距離が長いことだろうか。寄っていく内にこの距離でピントが合わなくなるのか…と感じる場面が多かった。距離を取って撮影する人は気にならないだろう。
それにしても、50mm f1.2はどれ程の描写力なのだろうか、人間の憧れは果てなく続くものだと実感する。

皆さんは私のように逆張りせず、このレンズを購入することをオススメしたい。



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