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どんな詐欺も結局はみんな同じ。若者が詐欺にあわないために #036

先日、ちきりんさんのVoicyで若者向けの詐欺を啓蒙するメディアが必要、という配信がありました。

私の体感でも、ここ最近、自治体相談などで若者に対する詐欺の相談を受ける機会が増えてきた気がしています。

手口はいろいろなのですが(暗号資産、副業詐欺、SNS型、ロマンス詐欺etc.)、必ず共通する2つの特徴があるので挙げてみます。

特徴① 一度はお金が増えているように見せる

例えば、以下のような手口があります。

SNSで「絶対稼げる」的な広告を見た人(Aとします)が、広告主(Bとします)にメッセージを送る
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Aは、Bから、LINEオープンチャットに誘われる
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オープンチャットには「稼げた」人のトークであふれている
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Aは、オープンチャットのメンバーから「〇円投資すれば必ず増える」と指定口座への振込を依頼される
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Aは、少額の振り込みをする
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Aの口座に「投資」額を上回るお金が振り込まれる
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Aは「本当にお金が増えるのだ」と信じて、より多くのお金を振り込む

こんな感じで、1回は「本当にお金が増えた」という経験をさせるのです。

Aさんは、最初は半信半疑でも、実際に残高が増えた、という経験をしてしまうと、詐欺ではない、と確信してしまいます。

さらに、オープンチャットのメンバーの成功談や羽振りの良い様子を見て、自分もそうなりたい、という気持ちを強め、より多額の投資をしてしまいます。

実際に現金として返ってくるパターンもあれば、架空の「投資」用サイトでお金が増えたように見せかけるような手の込んだものもありますが、共通するのは「一度はお金が増えた、もらえた」という成功体験をさせる、ということです。

特徴② ネガティブ情報は一切提供しない

詐欺被害を啓蒙する記事等で良く言われていることですが、とにかく詐欺を仕掛ける側は、ネガティブな情報は一切提供しません

例えば投資だったら「元本割れのリスクがある」というのは当たり前です。ちゃんとした投資なら、嫌というほどリスク説明の文言を突きつけられます。それなのに、詐欺の場合は、そんなリスクの話は一切しません。

先の例でも、オープンチャットではメンバーがとにかく「稼げた」話ばかりをして、ネガティブな話は一切出しません。

投資だろうが、貸付だろうが、一般論でも、お金が返ってこないリスクは0ではありません。副業だって、しっかり契約するのでなければお金をもらえる確証はないはずです。

ましてや、相手は会ったこともない、顔も見えない相手です。それなのに、ネガティブな話やリスク情報は一切提供せず、良い話しかしてこない、という時点で、これは詐欺ではないか、と疑うべきなのです。

被害に遭ったらどうなるか

相談に来られるのは、多少の成功体験を経て「より多くの投資をしよう」というタイミングで消費者金融に借入してしまい、最終的には「投資」したお金は返ってこず、借金だけ残ってしまった、というパターンが多いです。

しかし、詐欺グループは詐欺に使うSNSやLINEアカウントにしろ銀行口座にしろ、足がつかないようにしてしますし、お金を取り戻すのは非常に困難です。また、消費者金融の借金は、詐欺とは全く別の契約なので、これを取り消したり無効にすることもできません。

それにもかかわらず、被害は後を絶ちません。

最低限、上記特徴①②に当てはまる場合はまず詐欺を疑う、お金を払う前に誰かに相談する、を徹底すれば、こんなに被害はたくさん発生しないはずです。私も身近なところから啓蒙していきます。

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