今弱くてもいいんだ
自信がなくて心が弱っていた時、周りを見渡すと強い人が多かった。命令してきたり、服従させようとしたり…コントロールしたがる人。
「そんな仕事辞めちゃいなさい」
「そのやり方は間違いだから、〇〇に直しなさい」
「まだそんなことしてるの?」
などハイプレッシャーな言葉をたくさん浴びた。汗
そして言いたいことを言った後の彼らの口癖は決まってこうだ。「最後はあなたが決めればいい」
散々強気に指示命令した後、最後は責任を取らないことを堂々と宣言して踵を返す。こんなやりとりの繰り返しだったため、彼らと信頼関係を築くのは難しかった。
そしてこう思った。
そうか、彼らもまた自信がなくて仕方がないのだ。私の自信のなさが彼らに共鳴してしまったようだ。
自分より弱い人間を見つけて指示命令することで、あたかも自分が強い人間になったような幻想を抱く。
本当の強さは発言した後も愛ある眼差しで見守ることだ。どんな結果も引き受けることだ。自分が気持ちよくなるためだけに、相手の弱さにつけこんで利用してはいけない。
彼らが無視していたのは、他の誰でもない彼ら自身の弱さだ。虚勢を張ってどんなに強く見せても、その強さは長く続かない。
自分の弱さやダメなとこを認めて、不完全な自分も自分の一部だと知ることが相手の弱さを認めることに繋がる。
相手を攻撃しているようで、実は自分の弱さに蓋をした現実に自ら腹を立てていたのだろう。
こうして私は少しずつ自信のない自分と仲良くなって、彼らとも自然と離れていった。
今は平和に穏やかな人間関係を築いている。不安や恐れが全くないわけでは無いが、必要以上に臆病になることも無くなった。
いつも意識を「今ここ」に置く。レッスンの時も、家にいる時も、電車で外を眺める時も、自分が今いる場所で生きていることを観察している。
過ぎた過去も、まだ来ぬ未来も、意識の外に置いて深呼吸する。弱さも強さも引き受けて、全てが自分でありバランスが取れていると知ってあげる。
そうやって心も体もグラウンドしていけば、悩んでも悩まなくてもどっちでも大丈夫な自分に出会える。
焦っていたら、その焦りさえも抱きしめる。焦ってるんだねーって頭をなでる。不安な自分もヨシヨシして側にいてあげる。
自分はいつも自分の味方で、いつだって大丈夫なんだと声をかける。
今弱くてもいいんだ。
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