誤報係長-青春と人生の交差点-
私には勝手に「ねーさん」と思っている人が複数名います。
年上、年下関係なし。頼りになるなあ、かっこいいなあ、この人ならちょっと甘えちゃおっかなあと思える女性。多分末っ子根性がそうさせる。
その中の一人、たなかともこさん。アメリカの遠い空から、気軽に声を掛けてくれる素敵なねーさんです。
先日、ともこさんのnoteをシェアする時、「会社に消防車を呼んでしまった」と一言添えましたら、
「何をどうしたら消防車が来てしまうのか、気になりすぎます!!!」
お!このお返事は・・・
先日noteに書いた、「青春と人生の交差点」のやっちまったネタになるな…
こういうのなら、笑ってもらえるかしらと思い、お返事がてら、こちらでお話しようと思います。
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昔、工場で働いてまして。
担当部署で生産ラインの増設が決まり、元々使用していた設備を移動させることになりました。現場管理責任者だったので、当日は立ち合いのため現場へ。
平日はラインが稼働してるので、設備工事はラインが止まる土日がほとんど。「ちぇっ、だりーなー」なんて思いながら、サイズの合わないヘルメットをかぶり、現場で立ち会っていた時のことです。
その機械は地上から10mほど上に、溶接されている場所を切断する作業が必要で、業者へ切断作業を依頼していました。
当日、業者は計画通り、切断作業にはいりました。
スパッタ(溶接や切断をしている時、溶けた鉄が火花のように飛び散り冷えて鉄の粒になるやつ)を避けるための防護マスクを付けて、切断作業が進められていきます。
「あっつそうやなー。」なんて思いながら作業をぼんやり眺めていると、
遠くからサイレンが聞こえてくる。
・・・ウゥウウウウゥウウウーチィンチィンチン・・・
あれ?どっかで火事か?乾燥してるしなあ。
・・・ウゥウウウウゥウウウーチィンチィンチン・・・緊急車両通ります!緊急車両通ります!ウゥウウウウゥウウウーチィンチィンチン・・・
お!近くないか!どっかその辺なんかな!?どこどこ!?
・・・ウゥウウゥウウウー・・・チィンチィンチーン・・・チ・・・ン**
へ?
なんということでしょう。
深紅の消防車が2台、工場の入口から突っ込んでくるではありませんか。
サイレンがやんで、消防車が停止するかしないかでドアは開き、銀色の防護服を着た消防隊員(イケメン)と、オレンジ色のつなぎを着たレスキュー隊のお兄さん2名(さらにイケメン)が降りてくる。
「大丈夫ですか!火元はどこですか!!」
もうね、頭真っっ白ですよ。
ええええなに!?誰!?なんで!?悪いことしたなんか!?私捕まるんか!?
いやパトカーじゃないし。回転灯見ただけで罪悪感に駆られるって、後ろめたいことあるんかい!と今は思うけど、この時は自身も現状が把握できず、思考回路はショート寸前。
切断作業をしていた作業員も何事かと集まってくる。静寂を取り戻した工場で耳を澄ますと、
「ジリリリリリリ・・・」
軽やかに火災報知器のベルが鳴っている。
消防隊員さんが言いました。
「工場の火災報知器が反応してますよね。この工場担当のセコムさんから、会社に電話しても繋がらないとのことで、こちらに連絡が入りました。」
工事の対象になったエリア以外は休みなんで閉まっている。当然事務所も。しかも現場では耳栓をするのが習慣になっていて、報知機のベルの音もかき消されて聞こえず。
なぜ火災報知器は鳴ったのか。
原因は天井にある熱感知センサー。
切断作業をしている近くにセンサーがあって、熱感知して誤反応起こしちゃったんです。そりゃセンサーからしたら、ちゃんとお役目を果たした訳ですから褒めてもらいたいくらいなんでしょうが、
「おまえかーーーー!」
人間が出来てないんで、心の中ではセンサー指差して叫んでましたね。
5分ほどして近所に住む上司が駆け付け、二人で隊員さん達に事情を説明して平謝り。
「大事にならなくてよかったです。」と隊員の方々はニッコリ。神か。
そして消防車は無音で引き返していきました。
ま、その後に警察も現場検証に来て、さらに怒られたわけなんですが。
始末書も書いたし、月例会議でもつるし上げられたし。
後頭部に5円ハゲ出来ました。マジで。
その後、音が聞こえなくても判るように回転灯を付けたり諸々の対策は講じましたが・・・いやー、あんときはやっちまったと思いましたよ。今でも思う。ご迷惑をおかけしました。
その後しばらく、社内で「誤報係長」とあだ名をつけられましたわ。(イジリでね)
工場勤務の方がユーザーにどれくらいいるのか分かりませんが(笑)、是非ともお気をつけて。あ、あと熱中症対策も。
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笑ってやってください。くだらねー話でした。また何か思い出したら書こう。
よろしかったら「青春と人生の交差点」のハッシュタグ付けて、やっちまった話しませんか?笑えるやつね。遊びに行きます。
ともこねーさん、Twitterでも書きましたが、お元気でいてくださいね。
(誤報係長-青春と人生の交差点-Fin-)
読んでいただきありがとうございました。これをご縁に、あなたのところへも逢いに行きたいです。導かれるように。