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玖躬琉の部屋

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長い独り言や自身の経験を織り交ぜた随筆やエッセイらしきものもこちらで。
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水路(1)

「ねえ、理迦(りか)と蒼(そう)ってさあ、自分が覚えてる一番小さい頃の記憶って何歳?」 私は夫の四十九日を済ませたお寺の帰り道、2人の子供に尋ねた。 「うーん保育園の年少さんくらいかなあ」 「赤ちゃんの時にアレルギーと喘息が酷くて、お父さんがいた同じ大学病院通ったの覚えてないの?」 「全然覚えてないー。」 「『とびひ』になってお尻にも水ぶくれが出来ちゃって、触ると潰れちゃうから抱っこも出来ないし、ずうっと歩いて。5分かからないとこが1時間かかってねえ」 「そうなの

水路(2)

赤いベルベットのソファーに案内され、差し出された人工的な緑色のメロンソーダの液体が、炭酸水と混ざり切らず、グラスの中でぐにゃりと波打っていた。 「あ、ちょっと待ってね」 おじさんは冷凍庫からバニラアイスを取り出して、そのメロンソーダに乗せてくれた。 「炭酸を飲むと骨が溶けるから小さい子は飲んじゃダメ」と母からきつく言われていた。 しかし 遊び疲れて喉が渇いていたのと、その宝石のように輝くエメラルドグリーンに見とれ、母の訓戒を忘れストローから口に含む。 甘かった。けど、

¥100

人生の選択(2)

■私:中学3年8月 当時中学の担任だったN先生に呼ばれ、私は職員室に行った。 「あのね、あなたに合いそうな学校があるから見て欲しくて」 N先生は英語が担当で、偶然にも昔、私の2番目の姉の担任でもあった。 差し出されたパンフレットは、名古屋にある商業高校だった。 偏差値はそれほど高くないが、今年から「情報処理学科」が新設される共学校で、英語にも力を入れている。なにより魅力だったのが「うちの中学から一人もその学校に進学していない」ということだった。 「工業だと電気科や機械

人生の選択(1)

2019年5月21日 アパートの内見に付き合ってほしいと娘に言われ、不動産屋と共に車に乗り込んだ。 結局、いい物件は見つからず、もう一度不動産屋から探し直すことになった。 ■娘 高校1年の夏 「お母さん、ちょっとこれ見て欲しいんだけど」 夕飯の支度をしていた時、学校から帰ってきた娘は封筒に入ったパンフレットを持ってきた。中には聞きなれない楽器技術専門学校のパンフレットとオープンキャンパスの申し込み案内が入っていた。 手前味噌だが娘は学校の成績もよく、中学の頃塾にも

繋がるということと、推すということ

「競馬を楽しく簡単に」をコンセプトに、淀が立ち上げたYouTube企画 「競馬とオンガク」 化学反応がありました。 2019年5月21日 我が応援バンド「ヌーダピッシャーズ」のギター、kubobon(meril)さんの 責任編集企画「異能の宴第123回」@代々木barbara 応援バンドとアーティストの共演が横に繋がって現実のものとなり、驚きと、飛び上がるというか、感慨深い喜びに浸る淀です。 しかも いつの間にww 私は、幸せ者です。ほんと感謝! 私が良いと思う事

回光返照

突然ですが 仕事を1本、更新を切られちゃいました(^▽^;)アチャー もともとリサーチ対象のデータがある程度フローしたところで終わる仕事で、短期だと思ってたのが、「ご指名」&単価UPで仕事が頂けてたこともあって、1年も携わる時間も頂けて有難かったんですけど。 「今週末を以って満了とさせていただきます。ありがとうございました。」のメール一本で終了。 唐突だったので、モニターの前で (´・ω・`)・・・ウン (´・ω・`)・・・ウン あ、そうですか。お世話になり

空っぽの部屋で

2月18日に立ち上げたnote「淀ちゃん新聞」 急ですがLINE@にお引っ越しとなりました。 まずはアザラシと握手して友達になろう!!(ちょっとよく分からない) 結果を出して、皆様に勝ち馬を届けたいと思います!! あとは 改めまして、note「淀ちゃん新聞」は、たくさんの方にご活用いただけていたようで安心しました。ありがとうございます。新聞目的でフォロー頂いた方には申し訳なく。宜しければLINE@でポチっと♡よろしくお願いいたします。 まずは ■お引っ越しを決めた理