2020/5/26「僕と世界の方程式」

原題:x + y
監督:モーガン・マシューズ
脚本:ジェームズ・グレアム
キャスト:エイサ・バターフィールド…ネイサン・エリス
     レイフ・スポール…マーティン・ハンフリーズ
     サリー・ホーキンス…ジュリー・エリス


※多分ネタバレしてます。


久しぶりに泣きました。
最近オンライン授業が始まって、慣れないことも多い中、体調もあまり優れなかったので、感情が擦り切れた雑巾みたいにぐったりしていたんですが、この映画を観て心を潤すことができました。

この映画、俳優さんがみんな素晴らしくて、主演のエイサくん(Sex Education )、母役のサリーさん(The shape of water)はもともと好きな俳優さんたちなんですが、数学の先生のレイフさん、数学オリンピックメンバーの学生たち(The end of f***ing world の子とかおったわ)みんなリアルな演技で心掴まれました。

自閉症のネイサンの感覚を通して見る世界は鮮やかすぎたり、大きすぎたり、うるさすぎたり。不安な気持ちになるのがよくわかるし、私自身も大きい音とか凄い苦手で…共感できました。

でも本当に凄いなというか、私もそんなふうになりたいなって思ったのは、そんな大きすぎる世界を自分なりに理解しようとしてるネイサンの姿勢です。
大切な人が目の前からいなくなることって?大切って?愛って?
普段私たちがそういうものだと流すことに気づいて、立ち止まって、純粋に疑問を持つ。だからこそ第三者から見る彼はなんだか変に見えてしまうけど、でもこれって本当に凄いことだと思う。
だってそんな大きすぎる命題、捉えようとしている人がどれぐらいいるんだろうって。
私たちは普段そういうことを考えるのを一旦放棄しないと辛いですよね。
そうしないと生きていけないから。
答えがないし、そういうものだって、そう思わないと苦しくて苦しくて生活できなくなっちゃう。
でもネイサンはずーーっとそれに一人で取り組んできて、ずっと考えてきて、どんなに苦しかっただろう…とあの中華料理屋さんでの涙を見て思いました。
人類が人類史の中でずっと考えてきて、それでも答えが出ないのに、そんなのずっと一人で考えてたらそりゃ辛いよって笑
でもその苦しさの中に、彼にしか見つけられないかけがえのないものがあったと思います。本当に強いよなあと思う。だからあの中華料理店での母と息子のやりとりにはもうなんだか泣けてきてしまって…
そうだよね、そうだよね…辛かったね、よく頑張ったね…
って感じでした。

他人を理解する、他人と関わるって、たとえ相手が自閉症の方でなくとも難しいと思うんです。それをこの映画は今一度思い出させてくれるなあと思いました。

ネイサン中心のお話になってしまいましたが、ネイサンの周りのサイドストーリーも素晴らしくリアルで考えさせられるのですごく好き。
観た後にじわじわと良かったなあと思う映画です。

それでは皆さま、良き映画LIFEを✨🎬

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?