【東京編】新卒時代のお話

去年7月
「配属は中部営業所に決まりました」

この一言から僕の人生は大きく変わりました。






去年4月、僕は東京に本社を構える上場企業に入社を果たしました。

総合職として入社し、同期は20人弱いました。

同期とは内定者時代から仲が良く、金曜の夜にはオンラインでの飲み会も

しばし行っていました。

研修も充実しており、配属後も期待を胸に膨らませていました。




そして迎えた配属発表の日、

「〇〇はマーケじゃね?」
「いや、〇〇は営業だよ~」

「××は経営企画だろ!」

といった配属予想が同期の中で流行っていました。

研修においての立ち振る舞いやロープレなどの様子で配属は決められる。

自分自身研修を通じて、目立った存在でなかったため、

「どーせ営業で落ち着くでしょ」なんて呑気に構えてました。

名前順に配属発表が行われる中、いよいよ自分の名前が呼ばれた。

配属発表は総務部部長が担当した。

最初、部長の顔が曇っているのが見て取れた。

「何かやらかしたか?」

と少し不安げになった。

そして、少し間が空いたのちに、部長の口が開いた。







「君の配属は中部営業所に決まりました」






中部営業所?名古屋に行くの?…

研修中にちらっとしか見ていなかったが、名古屋にあることだけは

知っていた。

人生で一番くらいに動揺したかもしれない。

まさか地方に行くなんて、

真っ先に伝えたのは、その時家にいた彼女だった。

彼女も動揺していた。そして、同期も、親も。

事実を受け入れるしかなかった自分は、

そのまま中部営業所の所長との顔合わせに臨んだ。

所長は容姿端麗な30代の女性だった。

しばらく話を聞く中で、「仲が良く、雰囲気がいいですよ~」

という言葉が印象的だった。

何故か?心の中で安堵の気持ちと共に、一抹の不安も同時に襲ってきた。

もちろん、知り合いのいない土地に赴く不安はあったが、

それ以上にその時は何にも表しがたい不安があった。





その日以降、名古屋への引っ越しの準備を始めた。

それと同時に本格的に仕事が始まりだしたのであった。

配属先ごとでのOJTが始まり、個々での闘いが始まった。

自分自身も同期に後押しを受け、

寂しさを抱きながらも名古屋へと向かった。










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