Photo by _kei_ 【オフベージュの独白】 1 暁 夜花 2021年8月22日 13:46 ずっと、心に焼き付いている風景がある。それは中学二年生のグラウンド。真昼のまっすぐな日差しの下で、とある男子が白い歯が覗く笑顔で言っていた。「俺、清楚系が好き」昼休みの後半。練習着姿でキャッチボールをする彼を、私はたまたま横目に見ていただけだった。ううん、顔を横に向けて見ていた。昼休みも惜しむハードな部活。ハードな割に目立った成績が残らない弱小部。でも、恋バナのキャッチボールが咲かせる笑顔は、水やりを終えたばかりの朝顔のようだった。次頁【疼き3】 ダウンロード copy #小説 #創作 1 これが白紙の値札。いつでも、もちろん0円でも構わないわ。ワタシの紡ぎに触れたあなたの価値観を知ることができたら、それで満足よ。大切なのは、戯れを愉しむこと。もしいただいたら、紡ぐ為の電気代と紙代と……そうね、珈琲代かしら。 記事をサポート