バナナはいつも私の心のNo.1
夫の誕生日にケーキを作った。
7月に家のオーブンを稼動させるのはきつい。暑いんだもん。生クリーム泡立てるのもしんどい。買ってくればいいんだけどそれは嫌なんだよな。
子どもの頃から甘いアイスより冷凍バナナが好きだった。
季節問わずどこにでも売っていて安くておいしいバナナは、お菓子や生クリームが嫌いだった私にいつも安心をあたえてくれた。これだけ優秀なのになぜ果物の中でバナナの地位が低いのか疑問だ。食後のデザートにメロンやイチゴはあってもバナナは脇役だ。
私の好みは世の中とずれてることが多い。
けれど、私は自分が何を好きか、何が大切で何が自分を幸せにするのかを良く知っている。
デザートには真っ赤なイチゴよりかためのバナナがいい。イチゴがあればもちろん食べるけれど、バナナはいつも私の心のNo.1だから。
重い腰を上げ、タンクトップに着替えてエイヤーっとバナナケーキを焼く。なましましほさんのレシピは私の軟弱な胃の味方だ。
水きりヨーグルトに少しの生クリームをまぜたものを塗り、3センチの高さにそろえたバナナをしきつめる。これをヴィクトリアケーキ風にサンドして上には粉糖をふる。ミントとキャンドルを飾ってそれっぽく。
お誕生日おめでとう。いつも私の心のNo.1。
これは私が、湿度がやけに高い夏の夫の誕生日に作ったケーキの話。