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8/15 高円寺 club ROOTS! 高木フトシワンマン"So / 戦争と平和"

act:髙木フトシ

 8/15の高円寺clubrootsで行われた髙木フトシのワンマンライブに行ってきた。ワンマンのタイトルは「so 戦争と平和」、ど直球なタイトルだ。髙木フトシがどの様な表現をするのか。。期待を胸に高円寺に向かった。 


 私は着席し開演を待つ間、とても緊張していた。会場が暗転し、開始のSEが会場に流れる。髙木フトシが登場しギターを奏で歌い出すと緊張は無くなっていった。彼の歌の世界へ没入し、気がつけば2時間程の圧倒的ライブパフォーマンスによって心が喜びで充足していた。彼の歌を聴けた喜びで私の全てが幸せで満ち満ちていた。

 8/15終戦記念日。ただただこの日に歌いたいだけと言う髙木フトシ。戦争と平和と題しての彼が表現した歌。彼の歌は真っ直ぐに、その歌は私の心を刺した。彼が発する歌の一つ一つに風景、感情があり、その歌の中に住む人々の感情、情景が浮かんでしまう。戦争によって奪われた人々の普通の日常。終戦から79年後、私が生きるこの日々はどれだけ奇跡的であるのか。それは尊い平和な日々であることに感嘆した。
 彼は真っ直ぐに。彼の戦争と平和を表現し歌いきった。その歌は紛れもなく愛と平和の歌であったと私は思う。

 “so 戦争と平和”の始まりは波の音。このSEは私に沖縄の海を想起させた。先日のここrootsでのライブで彼はここから沖縄へ、愛と平和をぶっ放すと言っていたのを思い出した。蝉の鳴き声のSEは市中の人々の暮らしを一瞬で変えてしまった夏の日を。曲間に流れていたこのSEは当時の夏の日にいるかの様な錯覚を起こす。

 この日のセットリストは重めな曲が続いた。彼が表現する歌を聴き、この現実世界で過去に起きたこと、今も変わらない世界、強き者へ。そして弱き者への鎮魂。。希望と。平和への希求。。過去現在未来へ。と私の「戦争と平和」の物語が目の前で広がった。後半のセットにいくにつれ、彼が唄うたいとしての思いを込めたものではないかと感じた。その歌は力強く前を向き、未来に向けて。今、これからを、この世を生きる人々へ。そして髙木フトシ、彼自身へ語りかけるものであると。。

 極彩色の革命が歌い終わると大いなる拍手が起こっていた。ここで1回目のMC。彼が心の内を吐露する。前日にあげたブログの内容について、珍しく愚痴をはいたと言う。地震、台風。。はたしてライブが開催出来るのかと懸念があったと。彼は天に借りを作り今日の日を迎えられたと語っていた。MCは続く。戦争についてのニュースをみての思いが語られた。ロシア。ウクライナ。イギリス。アメリカ。経済。。この世界を支配する者のこと。彼は現実世界の真実を語った。それから彼は終戦記念日、この日に歌を歌うことへの思いを語り出した。これは彼の気持ちを表した素直な言葉なのだろうと感じた。『日本人としてとかっていうよりも。戦争で亡くなった。。亡くなった人たちっていうのかな。死ななくてよかったのに亡くなった人たち。そう言う。。それはさぁ。やっぱなんか。。歌ってこう。。なんだろう。。安らぎを与えたいというか。。違うかぁ。。なんだろ。。癒したいというか。なんかよくわからない。言葉では上手くあれだけど。。中略。。今、もし戦争が起こったとしても。まぁ特攻的なことは出来ないと思うし、行けって言われても断ると思う。だけど。自分が一番思うのは。その。。格差って言うのかな。本当にこう飢え苦しむ人たちがこの国に現れて。たくさんの人達が飢え苦しむようになれば。その時は自爆テロをすると思うので。それはある意味。特攻と一緒だと思ったりするので。家族のために愛する人のために。。命を投げ捨てる。必ず出てくるので。そうならない世界を祈ってます。』(配信より引用)
 そして本編最後の曲、太陽の花へと続く。

“言葉少ない自分のままじゃ
辿り着けないことも知っている
逃げる太陽を掴もうとして
僕は影を追い続けた
そして願った無駄だと知って 
だけど願うよ愛と平和を

道化のブルースを歌うよ”
(太陽の花 歌詞抜粋/ lyricsby髙木フトシ)

 この歌は歌っている髙木フトシ、彼そのもの等身大の歌である。いくら愛と平和を叫ぼうとも、世界は変わらず、争いが無くなることはない現実。変わらない現実世界を憂い、自身の無力さを悲哀する。歌うことしか出来ないと言う彼は、この世界へ愛と平和を叫び、願い、歌い続けている。そしてこれからもその願いを胸に愛と平和を歌い叫び続けるのだろう。私はこの歌を歌う彼の姿を観て胸を掴まれる。この歌、太陽の花を歌うことのない世界を迎え、いつしか愛と平和で満ち満ちた彼の歌を聴けるのだろうか。私は彼が歌う、愛と平和の歌を聴き見届けていきたい。
 太陽の歌を歌いきり、ワンマン本編が終わった。客席から2時間真っ直ぐに歌い切った髙木フトシへ盛大に拍手が起こる。鳴り止まない拍手はアンコールを求める手拍子に変わる。しばらくして髙木フトシが再びステージに登場した。アンコール曲の説明に彼はこう言葉する。『多分来年もあるだろうと思ってと。自分の決意表明。そう言う曲を。今日くらいはみんな平和で。笑顔で眠りについてください』
 アンコール曲はblind/blind

変われない 希望 
気付かれない 歌へ
君に届けよう 全てを持って
語りかけよう この命をもって    

(歌詞抜粋/ lyricsby 髙木フトシ)


 戦争と平和。全てを歌い切った彼は「愛と平和を!」と叫びワンマンの幕を閉じた。ただただ、この日に歌いたいと言った彼。この言葉の意図するところは、とてもシンプルで、戦争で命を奪われた人々、失われなくてよかった命を癒したいというものだろう。私は815終戦記念日に髙木フトシの歌のもとに愛と平和を希求し、この場に集った人達が戦争のない世界を希望し、同じ方向を向くことも無駄ではないと思っている。しかし今回、彼の「戦争と平和」の表現を体感し、こうとも思うのだ。ひとりひとりがシンプルにこの日を感じ、その感じた思いを表現すれば良いのだと。私はこの時間、髙木フトシが歌いギターを弾く姿に喜び、最高に幸せを感じていた。このことは先でも述べたが、終戦から79年後、私が生きるこの日々はどれだけ奇跡的で、尊い平和な日々であるか。何気ない日常を日々無事に送れることに私は感謝する。
 
 最後に。何度も言う。この日の彼は真っ直ぐに。彼の戦争と平和を表現し歌いきった。その歌は紛れもなく愛と平和の歌であったと私は思う。


20240815 高円寺clubroots 髙木フトシワンマン“so 戦争と平和”SET

SE 01
01 Illusionary eyes
02 『無』になる世界の戦場へ
03 The emperor’s new clothes

SE 02
04 After the war
05 Where

SE 03
06 No regret

SE 04
07 Something in the way

SE 05
08 War
09 あの花を
10 Satellite to tell

SE 06
11 Silence
12 So
13 Birdy
14 Quiet darkness

SE 07
15 絶対的で悲劇的なモノ
16 極彩色の革命

Mc
17 太陽の花

En
01 Blind / Blind

   (髙木フトシ公式HPブログより引用)


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