見出し画像

ハイキューなるもの

ここ数日、Abemaでハイキュー!!が全話無料になっている。
中高の友達から散々おすすめされた作品で、ずっと気になっていた。それに、性別問わずキャラクターたちの関係性が好きな、いわゆる「関係厨」の私には、群像劇系の作品はきっとドンピシャだろうと予想していた。
ただ、前から「青春」を描いたものは苦手だった。より正確には、自分が欲しかったものだからこそ、羨望と憧れと嫉妬が入り混じった感情に襲われ、収拾がつかなくなることがしんどくて、苦手なのだ。

でも、無料なのだし、触りだけ見て、しんどければやめてしまおう。そのくらいの軽い姿勢で見始めた。

結論を、先に言ってしまおう。

めちゃくちゃ、良かった。

それに尽きる。

シーズン1しか見ていないのに、めちゃくちゃこの作品が好きになった。偶然通りかかったデパートのイベントで飾られたハイキューのアクスタやらパネルやらで写真を撮ってしまうくらいには。

私は部活レベルの真剣さで、チームスポーツをやったことがない。テニスでダブルスはやっていたけれど、バスケとかバレーとかそういう、チームで戦う、みんなで勝つ、みたいな熱さを私は知らなくて、だからこそ、チームスポーツに強い憧れがある。

私は力でぶいぶい言わせたがる人間だから、ウィングスパイカーが向いてるんだろうか。授業でバレーやった時も、バレー部の友達に、ひいろは大分スパイカーよりだねっていってもらった記憶もあるし。
なにより、菅原や及川のような優秀なセッターに、自分の癖とか傾向とかを見てもらえるような立場になりたい。自分のことを、自分よりわかってくれる人がいるというのは、きっと、とても誇らしいことだろう。
自分の実力を引き出そうとしてくれる人に、得点という形で恩返しし続ける。なんて温かな関係なんだろう。

役割という話でいうと、リベロの西谷、本当にかっこいい。素敵だ。
リベロって、相手の鋭い攻撃を常に拾い続ける役割だから、敵に合わせて自分を適応させていかなくちゃいけない難しい立場だと思う。コートを走り回って、転び回って、ボールを上げ続ける、そういう地味で苦しい仕事だ。
常に拾いにくいボールがくるのにも関わらず、後ろでずっと皆を支え、鼓舞し続ける。そういう頼もしさを彼は持っている。
みんなが嫌な空気になってる時、迷わず、「ミスしても大丈夫!俺が拾うから!!」と宣言できてしまえるその懐の深さが、烏野を成立させている。
美しい魂。美しい強さ。誰かに寄り添うのではなく、叩いて目を覚ますような、そういう人、なってみたい。

言わずもがなだが、やっぱり日向と影山いいよね。
日向みたいな人、私も知っている。愛すべき馬鹿、みたいな、そういう真っ直ぐで一生懸命で、悔しさをそのまま表情にも行動にも出せてしまう正直な人。ああいう素直さに、影山のような頭で考えるタイプは自然と心を開いていくんだろう。いくらやっても、悪意も邪気も感じない、シンプルな善意と向上心で出来ている日向に、影山は馬鹿だと口で攻撃しながら、自然と強い信頼感を持つ。よね。
私は、影山のようなタイプではないけれど、そういう「素直さ」に真正面から相対した時の衝撃はわかる。あの、懐柔されてしまう感じも。こんな人間っているんだな。今までの世界にはいなかったよな。なんで、こんなふうに生きられるのか、不思議だよな。

チームスポーツだ。現実には、月島と影山レベル以上の仲の良し悪しは絶対あるし、熱さだけでは、楽しさとか悔しさとか、そういう綺麗な感情だけでは、やっていけないもののはずだ。

個人スポーツであればあるほど、仲間と適度な距離感が取れるから、ある意味気楽で、人間関係で色々とあった私からすれば、わざわざ修羅の道に入りたくはないと思う。

でもそれはやっぱり、葡萄を酸っぱいと思い込むようなものだ。実際のところ私は、あんな友情を感じてみたいし、誰かを支え、誰かに支えられたい。同じ熱量で、試合に臨んで、勝ちに対して本気で喜び、負けに対して本気で悔しいと思いたい。

ずっと勝てなかった相手に、皆で勝った、という感覚が、欲しい。

でも、まずは、目の前の私の競技に、クロカンに、本気で向き合ってみよう。
やるならとことんやってみよう。一位をとってやろう。


追記: いっちゃん好きなビジュは研磨だけど、最後の方で、菅原先輩の笑顔にやられた。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?