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第7話:関節唇損傷とインピンジメント

1.股関節の痛みと関節唇損傷

📝股関節の痛みの多くの原因の一つに、関節唇損傷 があります。


✔︎寛骨臼形成不全症では、72%の患者が関節唇損傷を有している
(McCarhty JC, et al 2002)

✔︎関節唇損傷は主に外傷、FAI、関節包の弛緩性や過剰可動性、加齢による変性で生じる 
(Groh MM,et al 2009)


2.インピンジメントテスト


🔖関節唇損傷があるケースで陽性になり易いテストに、前方.後方インピンジメントテストがあります。

✒︎単純に方法通りに行って痛みがあれば陽性。。ではなく、end feel(以下に例を示します)がとても大切です!

☑︎臼蓋の中で滑らかに動く感覚(関節包内運動)
 *悪い所見ではカクカク?といった感触が感じ取れます
☑︎臼蓋の縁に接触する感覚(ここで痛みが出たら、まさしく”関節内インピンジメント”かもです!)
☑︎スパズム(防御性収縮)の有無
☑︎靭帯や関節包の制限が感じられない?
… など、様々な要素を感じられるように丁寧に検査しましょう。

3.ログロールテスト

ログロールテストは、大腿骨を他動的に外旋させ、関節包前方・腸骨大腿靭帯(Y靭帯)の緩みを見る検査です。


股関節外旋運動時の可動域および大腿骨頭の偏移量は、関節唇の切離のみでは変化がないものの、腸骨大腿靭帯を切離すると股関節外旋可動域と大腿骨頭の前方偏移量に増加が生じた。

Myers CA,et al : Role of the acetabular labrum and iliofemoral ligament in hip stability
Am J Sports Med 39  2011


☑︎陽性所見では、健側と比較するとはっきりとした外旋方向への不安定さ、緩みが感じ取れます。
☑︎しかし同じ”変形成股関節症”の診断名の患者さんを見ていても、しっかり緩いな〜と感じる患者さんは、実はそれ程多くありません
☑︎なぜ、関節唇前方やY靭帯がこれほど損傷を受けるのでしょうか❗️❓

…  股関節の痛みの原因の一つである関節唇損傷とインピンジメントテスト、ログロールテストについて述べました。

📝これらの検査で陽性であっても、股関節の痛みの原因が関節唇損傷だけ、とは限りません。
臨床的な経験上、まだまだ多くの要素が痛みと関わっています!


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