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好きな人には自分の全てを知ってほしい

いいところも、悪いところも、全部。

付き合うと言う関係になるとどうしても反射的に自分の悪いところは隠してしまいがち。もちろん普通に友人同士とでもそういうことはあるけど、でも恋人相手の時の方がよっぽど気を遣ってしまう。
一方で、相手の事を知らないのもとても大きな不安要素になる。デート先に選んだ場所が実はあまり興味ないと言われたらどうしよう、何の話をしてるときがむこうにとって一番楽しいのかな、そもそもむこうはどういうタイミングで会いたくなるのかな、等々。一緒に時間を過ごすからには相手を少しでも楽しめられたら良いなって思うし、そもそも相手のことを気遣う上でも相手の事がわからないと何もできない。自分が良しと思ってやったことが実は相手にとってはあまりいい気分じゃなかった、みたいなことだって起こり得る。

むこうと付き合う前も、付き合ってから1年ぐらい経つまでも、あまり話す機会はなかったと思う。当時中学生だったうちらはお互い自由にメールをできる環境ではなかったし、家も比較的広い学区の端と端の関係だったし、学校の中だと落ち着いてお喋りするのは厳しいからお互いのことを知る機会は他の友人と比べても少なかった。

中学を卒業した春休み、他中に通っていた親友と会った際に「彼女さんってどんな人なの?」と訊かれた。むこうは斯々こういう人だよ、と言おうとするけど思っていたよりも言葉はうまくまとまらないし、出てきた言葉も、むこうにひどく心を惹かれた割には陳腐な感想しか出てこなかった。そもそも自分は何も知らない友人にむこうの様相を断言するのが怖かった。
それまでざっくりとした感覚でむこうの事を分かっていたつもりだったけど、その時に始めて自分はむこうの事を何も知らないんだなと知った。それはすごく大きな不安にもなった。今まで開けていると思った視界に霧がかかり、たちまち暗闇の中にいるような、そんな感覚がしたことを今でも覚えてる。

それから自分は自分の好きなことや趣味の話とか、普段自分が考えてることとか、なるべく自分の素をさらけ出すようにした。
ちょうどその頃、高校生になってお互いスマホを持ちLINEを始めた。今まで以上にプライベートな話をする機会が増えたし、付き合って1年経つ頃になってやっと初めて相手の様々なことを知り始めたと思う。

一方でむこうはあまり自身のことを話したがらない性格だ。そして常に人に気遣うタイプだと思う。別にむこうの情報を無理に聞き出す必要はないし、話したくなったら話せばいい、時間はたくさんあるんだから。そういうスタンスでむこうと接してきてるけどやはり不透明な部分は多いし、実際に会ってるときでも「あぁ、なんか遠慮されてるのかな」と壁を感じることだってある。もう少し、友達と駄弁るときのような感覚で遠慮することなく話せたらなぁ、としばしば思う。

逆に自分が壁を作ってしまっている時もある。その時は気付かないけど、後から思い返しては「気遣いすぎてあまり覚えてない」なんてこともある。確かにむこうを気遣うことは幸せなことでもあるんだけども。

だらだらと書いてしまったのでそろそろ話をまとめようと思う。
好きな人には自分のことを全て知ってほしい。それが良いところも悪いところも全部知った上でうちのことを愛してほしい。
それは逆だって言える。自分はむこうのことをできる限り知りたい。手探りで、触れちゃいけなさそうなところを暗黙的に避けるんじゃなくて、本当の素の部分を知って心の底から相手のことを信頼したい。そして信頼されたい。今後何十年共に過ごすかもしれない関係なのだから。


好きな人には自分の全てを知ってほしい