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深夜の独り言 34

人間関係ってとても難しいですね。でもひとつ思うのは、相手の言葉を聞く姿勢が大切だということです。

私は、話が大袈裟だそうです。あるお友だちに、何気ない会話の中で、
「いつもの大袈裟なリアクションかと思ったけど今回は違うんだね」
と言われたときに、初めて知りました。私自身は大袈裟に話しているつもりはなくて、感じたことをそのまま伝えているだけなのですが、彼女はいつもそう受け取っていたようです。

私が大変だと思っていたこと、頑張ったと思っていたことは実はそうでもなくて、みんなはもっと、全然、大きなスケールで物事を見ているようなのです。だから彼女は私の話を聞くとき「へえ」と「やば」ばかり多用するのですね。

(ここで、私は思い出します。
高校生のとき、
「かるたの試合があってね」
と話したら、彼女に、
「あ〜(同じかるた部の私より全然上手な女の子)が優勝したって言ってたわ、あの子ほんとすごいよね」
と言われたこと。
私が東大受験に失敗した次の週にも、
「〇〇さん東大受かったらしいよ!女子で受かったのあの子だけじゃない?うちの高校偏差値落ちるなー」
と言われたこと。)

そういうわけで、彼女と私の間の話題はもっぱら彼女が話し始めたことなのですが、彼女はとても物知りで、いろんなことを知っているんです。旅行に行ってみたい国の話なんて特に、世界地理に明るくない私は、
「そうなんだ、知らなかった」
となることが多いのですが、そのたびに、
「え、知らないの?常識じゃん」
と言われます。彼女といると、私は非常識だと思い知らされます。

私が何か間違ったことをすると、厳しく言ってくれます。曲がってきた車に気付かずに道を渡ろうとすると、
「運転手ブチギレだよ今の」
「周り見るなんて小学生でもできる」
と言われます。
親の許可が取れていないからと数人を家に呼ぶのを嫌がっていて、でもみんながいいじゃんつまんないと強く言うので呼んで、あとで怒られた話をしたら、
「普通に考えて迷惑でしょ笑」
と、彼女だって断れない状況をつくったひとりなのに鼻で笑われました。

たくさんのことを知っていて、頭が良くて、運動もできて、美人で、明るくて、みんなに好かれている彼女と、私は高校三年間同じクラスで、いつもふたりでいました。名前も似ていて、周りからセットで扱われることも何度もありました。いろんなことを思いついて、活動的で、だから一緒にいてとても楽しかった記憶がたくさんあります。

いつも正しい彼女を素直にすごいと思うし、尊敬しています。入学式の前の登校日に勇気を出して隣の席の彼女に話しかけてから卒業するまで、高校生活を彼女なしには語れないし、大学生になって学校が離れても、頻繁に連絡をとって会っていました。大好きでした。

でも、私は彼女といて傷ついたことがこんなにたくさんあります。私の前で私以外の子と話すとき、彼女の口調がもっと優しいのを知っています。一度、
「ちょっと私に言い方きつくない?」
と抗議したら、
「え、なんでキレてんの?」
とにやっとされました。それ以来私はなぜかずっと、彼女の言うことには何も言い返せないのです。

私の信念では、ひとの話に耳を傾けること、相手が何を感じ、考え、何を伝えたいのかを感じ取ることは、ひととのコミュニケーションのなかで最も大切なことです。だから、別に彼女は私を傷つけようとしているわけではなく、彼女はそれをただ正しいと思ったから口にしていて、実際内容は全て正しいのだということを、私はちゃんとわかっています。それでも辛いものは辛くて、嫌なことは嫌です。こう伝えたらきっと彼女は、
「また病んでんの?笑」
と返すでしょうと、そう簡単に想像がついてしまうのも悲しいことです。私はただ、彼女にも、私の話を聞いてほしいだけなのです。

私の話が彼女にとっては大袈裟だとしても、それは感性の問題だと思うのです。些細なことを大きく感じてしまう、それだけなのに、私が間違っていると、非常識だったと、彼女と話すたびに感じます。彼女といる自分があまりにも惨めで、嫌いです。こうして「嫌い」に苛まれていることすらも、彼女にとっては大袈裟なことなのだと思うと、やりきれません。

いつか私の話を真剣に聞いてくれる日がくるなら、私はまた彼女を大好きになれるかもしれません。もしくは、これでもいいとまた思えるようになるかもしれません。今は「嫌い」が弾けた瞬間だから暗い色しか見えませんが、乾いて剥がれてきたら違う色が出てくるかもしれません。いずれにせよ時間が必要です。

今日この話を聞いてくれた別のお友だちが、嫌いになったことは消せない、と言っていました。昨日のつぶやきへのコメントでも、一度嫌いになったら、好きになることは難しいと教えていただきました。まったくそのとおりです。ずっとこの惨めさを抱えながら彼女と関わっていくことは苦しいことだと思います。でも、長く一緒にいすぎたから、情が残っていて、離れるにも勇気が必要なんです。

我ながらこんなところにこんな風に書いて卑怯なやつだと思うけれど、時間をおいて冷静になって、彼女の良いところも思い出して、また彼女と普通に話すようになったとしてそのときに、今感じたことを覚えておきたくて。そのうえでどう付き合っていくか考えたいです。

つぶやきへのお優しいコメントありがとうございました。


傷ついた夜に、



深夜の独り言。

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