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深夜の独り言 46

パインアメが食べたくて探し回っていたら、百円ショップに似たような飴「パインキャンディ」なるものがあって、明らかにパクリなんだけど面白いから買いました。味はほぼ一緒。ただちょっと、割れやすい。

泣き虫なこの頃です。ぎりぎりまで研ぎ澄まされた「感受性」のせいで何見ても何聞いても何考えても泣ける。ぜんぶ。ぜんぶ涙に直結しちゃうんです。

なぜか今年から汗かきになったのですぐ水分が足りなくなって頭痛がします、そうしてあぁ頭が痛いなぁとぼんやりと空を見上げただけで、なんだか涙が滲むのです。日差しが眩しければそれだけで陰気な自分に嫌気がさして、夕日が燃えていればその色に、星のない夜は雲の流れに、涙が込み上げてくるのです。

この間、居酒屋で、前に勤めていた塾の先生を見かけました。それから、駅で、前の彼氏を見かけました。全く変わっていない姿が嬉しくて、楽しくて、ほんの少し、涙。居酒屋には今の彼とふたりでいたので、顔を合わせたくはなくて逸したら、壁が鏡になっていて。私自身はすごく変わったなあと感じて、それにも少し、涙。

時間が経つのが早いです。大人になればなるほど。子どもたちの時間と私の時間は平等なはずなのに全く違うもので、不可逆性を嫌でも思い知ります。前の彼と付き合って前の塾に勤めていたあの頃の自分には絶対に戻れないし、もう戻りたいとも思わないし、とても大切な時間だったことだけが事実として、暑さにゆられています。

夏がやってくるのです。湿気の多い夏が。汗と涙で干からびてしまわぬように、なんとか立ち向かわねばなりません。他の人より少し割れやすいこの心を、他の人と同じように見せかけて生きていかなくてはなりません。パインキャンディは優しいほど甘酸っぱくて、やっぱり少し、涙が出ちゃいそうです。

涙を流せる場所があることを、幸運に思います。



泣いちゃう夜に、




深夜の独り言。

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