深夜の独り言 11
秋は、音楽の授業を取りました。といってもオンラインですから、家でYouTubeで鑑賞をした感想を提出するというものですが。私は小さい頃からピアノを習っていたのもあり、クラシックを聴くと落ち着きます。
理系科目はだんだんと、授業内容が難しくなってきました。今まで難しい課題は父に教えてもらったりしていたのですが、最近は父にもわからないような課題があって、夜中にふたりで唸ったりしています。
父も仕事の、数学で悩んでいることを持ってきて、一緒に考えさせられたりします。父や仕事の仲間が考えてわからなかったことが私にわかるなんてありえないとは思いつつ、頼ってもらった気がして嬉しくなります。それが何に使われるかも知らされないまま考えるのですが、数学も世間の役に立っているんだなあなんて、思ったりします。
私は恵まれた環境で育ったと思います。
小さいころからよくお勉強をして、ピアノ以外にもいくつかお稽古を習って、海外も含めいろんな街へ旅行へ行って、絵画や本にもたくさん触れさせてもらってきました。与えられたものは最大限活用してきたと思います。周りのひとにも恵まれて、ぬくぬくと育ったと感じています。
でも、遊びたいこともありました。中学生のころは近くの公立に通っていたので、勉強なんて興味なし、みたいな子もたくさんいました。そのころ仲の良かった子で、大学に行かなかった子も多くいます。専門学校に行った子は、暗号みたいなプログラミングや天体の軌道を求めたりはできなくても、華やかな世界で楽しそうにしています。そういうのが、羨ましいと思ったこともあります。私は「成績が良くて当たり前」「大学に行くのが当たり前」の家庭で育ちましたから。
どれがいいとか、悪いとか、わかりません。
よく言う「育ちがいい」という言葉はあまり好きではありません。別に、私の育ち方が良かったかなんてわからないし、ただそういう方針の家に生まれたというだけだからです。
自分の家族はとても好きです。自分の境遇や育ち方にも文句はありません。でもそれは、いろんな家族がいるなかで私がたまたま、マリーローランサンやカシニョールの絵を飾ったりショパンを流したりする家に生まれて、たまたま愛されて育った。そしてそれを、たまたま私が気に入っているというだけです。
悩んだのですが、明日から一本ずつ毎日「ブラック珈琲」とい長めのお話を載せていきます。家族、というのがひとつキーワードの、よくある恋愛小説です。比較的ましな切れ目を何度か考えたところ、十回に分かれてしまいました。(九と言っていたのは嘘でした、ごめんなさい。)あとでマガジンにまとめます。もしかすると、全部一気に読んでいただいたほうが面白いかもしれません。もともと面白くなかったら、ごめんなさい。自分では結構自信作なので、お時間の合うときに読んでいただけたら嬉しいです。
実は、一度ショートショートで書いたものを長く書き直したものです。お友だちに、展開が唐突じゃない?とアドバイスをもらったので、この展開に至るまでのストーリーを考えました。ショートショートの方のブラック珈琲もだいぶ前にnoteに載せてありますが、リンクは貼らないでおきます。ネタバレですから。
今はヘンデルの水上の音楽を聴いています。湖畔のお城でラッパを吹いているような、清々しく響く音です。
穏やかな夜の、
深夜の独り言。
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