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深夜の独り言 36

本屋が好きです。本が好き、というのとはまた別に、本屋が好きです。本はひとりで読むものだけれど、本屋はふたりで行くところです。本を買うために行くのではなくて、私はファミレスに行くみたいに本屋に行きます。

入るとまず、話題の本たちが置いてあって、文字通り、話題にのぼります。あ、これ、この間読んだな、なんて小さい独り言を拾って会話が広がっていきます。そうだそうだ、この作家さんの、他にこういう本があってね、と、文庫コーナーに流れていきます。

一緒に行くひとによって、本屋は全く違うところになります。目をつける場所も違うし、回る順番も違う。私のように小説が好きな子もいれば、漫画が好きな子も、雑誌や図鑑が好きな子も、洋書が好きな子もいます。学習参考書を熱心に見る子もいれば、資格の本を見る子もいます。

本屋は話題の宝庫です。そしてたいてい割と静かで、落ち着いて話をするのに最適です。大好きなひとと、本屋を回ってたくさんの話をするのが好きです。本屋に入ると、あっという間に時間が立ちます。

日本の未来は案外明るいのではないかと、考えるこの頃です。一部の若者は意外とものごとを考えており、下手したら今の政治家より、何かを語り合うのが楽しいと思っているのかもしれません。

教育について。ジェンダーについて。結婚や出産について。政治について。環境について。私の周りの素敵なひとたちは、何かしら自分のなかで意見を持っていて、よくよく聞いてみるととてもおもしろいのです。最近、こういうことについてふたりで語り合う場面が多くあります。

意見が違うこともあります。例えば私は、結婚は幸せなものだと考えているけれど、そうとは限らないとするお友だちもいます。その子は自分の遺伝子をもった子どもを産むのは申し訳ないと言いました。私は、人間という種の存続のために、可能な限り出産はするべきであって、それに伴う不安は個人ではなく社会全体で担っていかなければならないものだと考えます。少子高齢化は、どうしたって身体的な女性性をもつひとりひとりの意識がないと改善されないと思うのです。

そういった意見の相違はとてもおもしろくて、反対意見のひとを説得するにはどう考えたらいいのか、や、自分の意見には不完全なところがないか、なんて、頭を使っています。文系の大学生はいつもこんなふうにディベートをしているのでしょうか。羨ましいなと、なんとなく思います。

この間やっと、18歳になってから初めての、選挙の案内が届きました。私もこの国を背負っていくひとりとなって、未来の決定に関わっていくのでしょう。こうした意識は、日本全体で見ればきっとまだ残念ながらマジョリティではないけれど、いつかマジョリティになるように、子どもたちみんなが自分の意見をもって生きていくように、私は教育者になるのです。

私にできるのは小さなことしかありません。私が結婚して出産しても、二人から三人が生まれたとしたってこの世界にはたったの+1、だから本当は、その小さな+を広げていきたいのです。私は日々そう考えています。

どんな背景で、何を考え、何を正義とするのか、さまざまだからこそ、人間はおもしろいなと思います。このnoteにも、さまざまな意見があって、いつもおもしろいなと感じています。気軽に自説を主張できる時代、情報化社会、万歳。語り合う世界、万歳。


語り合う夜に、



深夜の独り言。

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