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深夜の独り言 42

大げさだ、と、誰かに言われた話をいつか書きました。大げさ。実質以上に大変なことだと見せかけること。

お腹が痛い、と泣くと、家族は面倒そうな顔をします。月に一度、ベッドから出るのもしんどい、薬がないと背筋を伸ばして歩くこともできない、そんな数日がやってきます。正確に。悲しいほど、とても正確に。

昨日、いつもなら優しい顔をつくって、「それは仕方ないね、次頑張ろう」と言ってあげられるミスに対して、眉が凍ってしまいました。相手が気づいていないといいのだけれど。一瞬、ほんの一瞬、「なんでこんなこともできないの」と思ってしまう自分がいて、その自分に対して苛立って、悲しくて、トイレに駆け込んで少し、泣きました。

大げさだ、と思いました。こんなことで怒るなんて。こんなことで傷つくなんて。こんなことで泣くなんて。

でも、どうしようもないのです。月の満ち引きに合わせて正確にやってくる痛みは、毎度心の表面に無数のかすり傷をつけて、私の感情をひどく無防備にします。私には温もりが必要なんです。ヒーターやホットミルクでお腹を温めることと、小さな優しさに触れて心に柔らかな膜を張ること。

生理についてSNSで語ることはあまり良くないことなのでしょうか。でも、例えば「最近甘いものが食べたくてたまらない」の一言でさえ、その裏には生理が隠れています。そのくらい自然で、私の大部分なのに。

人それぞれ、痛みも感じ方も違います。母は生理なんて病気じゃないんだからと薬を与えてくれない人でした。このせいで、高校生の時私は月に一度保健室登校でした。まともに立っていられないんだもの、教室にはいられないよね。母には母の、私には私の生理があります。それは絶対にわかり合えることのない悲しい違いです。

職場で、立ち上がる前に深呼吸をするとか、すぐにいらいらしてしまうとか、そういう不自然なことを、生理だと言えないせいで理解してもらえないのが悲しいです。薬を飲んでいたって痛いものは痛いです。今日は生理だから優しくしてくださいと、目があった人全員に言って回れたらどんなにいいか。でもそれは変に気を遣わせたり、嫌な気持ちにさせるような、良くないことなのでしょう。少なくとも私の周りでは、生理は隠すものだ、という風潮があります。

例えば「口内炎ができちゃってさ」と同じくらいの重たさで、「今日生理でさ」が言えたらいいのに。「しみるから辛いもの食べられないんだよね」と同じくらい簡単に「痛いしいらいらするんだよね」が言えたらいいのに。そうしてみんなで、気を遣いあえたらいいのに。男性も女性も、当たり前のように。だって、どうして体から血を垂れ流しながら、平気なふりをしていなくちゃいけないんだろう。どうして、体のせいですぐ泣きそうになるのを、必死で我慢しなくてはならない
んだろう。

テストだし受験だし生理だし、大変な毎日です。今週を乗り切ったら一気に一段落なのに、そんなときに限って生理です。薬で眠たい体を、モンスターで叩き起こす夜中。ついてないね。なんとか乗り切ろう、自分。今日も生きていて偉いよ。


デリケートな夜に、



深夜の独り言。

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