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昼のお話です。 学校へ行ったり、お散歩をしたり、家でごろごろしてみたり、それぞれの過ごし方をして、それぞれに感じることがあるようです。
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2020年7月の記事一覧

新居とふたり

新居とふたり

 ドアがガチャンと閉まって、マスクを外す。つんと鼻をつくのは、新しい木の匂い。スーツケースのキャリーバーを仕舞って、サンダルのベルトを解いて、温かみのある木目に裸足を乗せる。これから、ここでどんな人生が始まるんだろう。

 玄関は狭くて、でも天井が高くて、靴箱の収納もたっぷりあった。スリッパと、スリッパを立てておくラックも買わなくては、と思いながら、裸足でペタペタと廊下を歩く。

 玄関の横に、小

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雲の休み方

雲の休み方

 人生において無駄な時間なんてない、としたり顔で語ったのは一体誰だったか。真夏の体育館での暑苦しい語りっぷりに、少なくともこの時間は絶対に無駄だなんて呆れ半分に感じていたことだけを覚えている。

 どんな一瞬でも自分自身を形作る大切な瞬間であると。だから、無駄なんかじゃない。みんなが生きている限り何一つ無駄なんかじゃない。

 年端もいかぬ夢見る熱血教師が語ったのだったか。それとも、人生の大半を経

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菊桃

菊桃

 風が当たる。花が舞う。後ろを振り返ると、目の奥がじんわり痛むような、眩しい太陽が照りつける。

 もう殆ど花は散り、代わりに若草色の力強い葉がうっすらと陽の光を遮っている。久々の日光に目が眩んで足元に視線を落とすと、道路の端の排水溝には花びらが敷き詰められていた。

 もう、春も終わるのか。

 ふと、履いていたパンプスの上に花びらが重なる。白いブラウスに、ベージュのスカート。薄地の黒のストッキ

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正直なものさし

 「またきいちゃんの、いつもの大袈裟な話かと思ったけど、今回は違ったかー」

 友人の言葉が、軽くトラウマになっている。渋柿を食べたときだったと思う。こんなものは食べられない、まずい、と大騒ぎすると、彼女はそれを見て笑っていた。でも残っていたのを食べさせると思い切り顔をしかめて、そう言ったのだった。

 私はいつも大袈裟なんだ、とそこで初めて思った。初めて言われたし、自分でも気付いていなかった。で

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