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「100−99≠1」2年 中村友星

ブログをご覧いただきありがとうございます。
 
 
こんにちは。
今回、部員ブログを担当させていただく横浜国立大学体育会系サッカー部の中村友星です。
 
とある練習の帰り道、お互いカフェでバイトをしている部員がこのような会話をしていました。


 
某大手外資系カフェ店員
「去年もチャンピオンシップ(Bチームの試合)途中出場で、今年もまた途中出場でシーズンを終えちゃった。結果だけ見ると、何にも変わってなくて、落ち込むわ。」

某カフェ店員
「俺なんて去年もベンチ外で、今年もベンチ外だよ。」
某大手外資系カフェ店員
「でも君は県リーグメンバーに入ってたじゃん。」
 

トップチームの試合に出られなかった某大手外資系カフェ店員とは僕のことなのですが、相手の某カフェ店員はあるトップチームのメンバーに入っていました。その時の僕は某カフェ店員に嫉妬心を抱いていました。
 
 
2022年の夏。
僕の大学サッカー人生は再び動き始めた。

 
 
2022年の冬から夏にかけて、僕は途切れず怪我をし続け、まともにサッカーに取り組むことができなかった。最初は「ボールが蹴れないから筋トレや体幹を頑張ろう」とボールが触れずともサッカーに対するモチベーションは上手く保てていた。しかし、時間が経つにつれ、サッカーに対する楽しさが無くなっていった。何より、周りのメンバーが試合に出て、活躍をして、喜んでいる姿を見るのが一番耐え難かった。
この数か月間は正直どのように過ごしていたのかは覚えていないが、この苦しい時間は時間が解決をしてくれた。夏前に少しずつボールを使ったリハビリができるようになってきた。止まっていた自分の中の大学サッカーが再び動き始めたような気がした。この期間も決して楽しいものでは無かったが、ここからまた始めてやるという気持ちが上回っていた。
 
入学以来ほぼトップチームに関わることができなかった自分は、トップチームに対して異常なほど執着をしていた。大学生活のほとんどの時間をサッカーに充てると決めた時からこの想いは変わらなかった。首脳陣の方々のお陰様で復帰後は順調に行き、後期リーグ戦途中でトップチームに上がることができた。
いざ、憧れだったトップチームでの初めての練習。そこでは自分がいつもプレーしている2倍いや、3倍のスピードと強度で行われていた。そこで僕は初めて自分にボールが回ってくるとプレーが止まってしまうことを実感した。自分にボールが回ってこないでほしいそんなことを思ったこともあった。その中でも何とか必死に食らいつきプレーを続けた。そうしている中、トップチームは最終節を残し、関東参入戦への切符を手に入れた。もちろん、できれば関東に参入するかもしれないという歴史的瞬間に選手として立ち会いたかったが残念ながら叶わなかった。いや、もしかしたら「立ち合いたかった」と言っているが心のどこかでは諦めていたのかもしれない。

しかし、僕にはまだトップチームの試合に出場するチャンスがあった。それは、県リーグの最終節。国大は最終節を残して関東参入戦に進めることが決まっていたので、つまるところ消化試合であった。消化試合とは言えども、トップチームの試合に出られる可能性があった。僕にとってたかし君の代でのトップチームの試合に出られる最後のチャンスであった。必死にそのチャンスをものにしようとした。


しかし、結果はメンバー落選。
その週のトップのカテゴリーのメンバーで自分一人だけが唯一県リーグの試合で戦えなかった。
僕はあと一歩だった。何かが足りなかった。
メンバー発表があった日は何もする気が起きず、ただただベッドの上でボーっとしていた。
 
 
 
 
その時期のトップチームで一人だけメンバーを外れた自分(99)にあと何かあと一つ(1)足せば、試合に出られる(100)と考えていた。しかし、それが間違いであることに気づいた。自分は勝手に試合に出られる基準(100)を設けていたが、それより上にある未知の可能性に気づけていなかった。

それは、自分には何が足りないのかの答えを必死に見つけようとしてメンバー落選後のトップチームの練習、リーグ最終戦、関東参入戦を通してようやく気づいた。どちらの足にパスを出すか、数歩ポジショニングを変えるのか、練習後の捕食やケアなどあげればきりがないほどだが、今まで自分には見えていなかった部分が見え始めてきた。100と99の差なんてあまいものでは無かった。トップチームの試合に出られる選手と出られない僕にはまだまだ圧倒的な差がある。
 
 
「まだ、足りない。もっとやれる。」
 
 
以前の自分ならこの事実に気づいたときに確実に諦めるという選択をしていたに違いない。しかし、とても短かったがトップチームで過ごしたあの経験が僕を変えてくれた。本気で関東2部に昇格しようとしている先輩、仲間、後輩、コーチに間近で触れることができたからこそ、サッカーをする楽しさをもう一度思い出すことができた。やはりレベルが高いところでやるサッカーは楽しい。そして、たかしくんの代ではBチームの試合に出場してシーズンを終えた。
 
 
代替わりをした現在、関東参入戦で戦ってきたメンバーとはまだまだ差がある。今まで自分のいたカテゴリーのメンバーのレベルが上がり、焦りを感じてきている。しかし、それと同時にわくわくしている。心の底からサッカーを楽しむことができていると思う。
 
 
今、サッカーができているこの環境を当たり前とは思わず、常日ごろ僕を支えてくれる保護者、横浜国立大学サッカー部の仲間たち、関係者の方々全員に対する感謝の気持ちを忘れずに。
 
 
 
 

やってやる。




横浜国立大学体育会サッカー部 中村友星

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