見出し画像

マーク・ミネルヴィニ『ミネルヴィニの成長株投資法』感想

私はインデックスとダウの犬みたいなものにしか投資をしておらず、成長株に投資している人はどういう思考で売買をしているのかが気になって購入しました。

私が受けた印象としては機関投資家目線ではなく、小口の個人投資家が成長株でインデックスを置いてけぼりにするような爆益を獲得するためにはどう思考すればいいかが書かれているのかなと。
効率的市場仮説ではなく、株価というのは理屈というよりは感情のたまものだという前提に立ち、投資家にはチャート分析、ファンダメンタル分析、それらのハイブリッドがあるが、著者の場合には、ファンダメンタルである程度銘柄を絞ったうえで、該当する企業は売上と利益が一時的な要因ではんく増えているかを丹念に見つつ、小口の売りによる下落が枯れつつある状況か、ボラティリティが低下してきているか、大口の買いによる上昇が訪れているかということを見ながら、大口買いに乗っかっていくという手法と解釈しました。

詳細なファンダメンタル分析による最初の絞り込みについて細かく触れてはいなかったのですが、こうした分析をするときには一度にすべての条件に合致するような銘柄を探すというよりは、絞り込みパターンをいくつかに分けるのも有効な手段のひとつだと述べています。理由としては、非常に有力な銘柄であっても、どれか1つの条件を満たさないがために先行から漏れてしまうのは機会損失だからとのこと。
また、売上と利益の要因については、当たり前ではあるのですが、製造業等であれば過剰在庫によって利益が過大に出たのではないかとか、営業外・特別損益等による一時的な増益、減益なのではないかということをしっかり見るみたいなことには、成長株投資というのはある種の博奕という先入観があった私としては、やっぱり真面目にやらないと金って稼げないんだなという気持ちになりました。

また、最後に2章割いて、リスク管理にも触れています。これはよくレバレッジをかけた商品なんかでも言われていますが、損をした後に益を出すのはめちゃくちゃ大変という話ですね。50%の値下がりを戻すためには、100%の値上がりが必要だという理屈。どれだけ優れた投資家であっても、100%勝つことはできない、基本的にはコインの表裏で考えれば半分は勝って半分は負ける。そうなったときに、プラマイゼロでは意味がないどころか、絶対額においては負けてしまうことになりかねない。だから、株を購入する時点であらかじめ損切りをする基準を決めておくことが重要、著者は7%程度の下落を1つの目安として述べています。

爆益を狙うのであれば、丁半博奕で負けが込む前にやめる、そして再度機をうかがう。一度失敗した銘柄で損切りをしても、すぐに投資対象外にしてしまうのではなく、引き続きウォッチすることで、より良いポジションや利益を上げられる確率があるという指摘は、あまり考えたことがないことだったのでなるほどと思いました。そのうえで、やっぱりダメだったら切ればいいし、良ければ再度インすればいい。

私自身、損切りは重要だなというのを感じていて、逆指値なんかも入れるようになったのですが、実はGWの為替のタイミングでFXをやっていて、危うく資産が大量減するところでした。あらかじめ撤退するところを決めておく、資産が増えていけばその撤退の値を上げていく、そういうことで失わずに済む資産があるわけですね。
個別株、特に成長株で利益を取ろうとするためには、そのリスクに対して調べる時間や精神力など、様々なパワーが必要そうなので私はまだしばらくやることはなさそうですが、とても勉強になりました。

下のは当該書籍のAmazonアフィリエイトリンクです。
https://amzn.to/3WpteMs

では、ごきげんよう。


この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?