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#17 私がオートフォーカスを使わないのは何故か?

私がマニュアルフォーカスを使う理由、みたいなタイトルにしようと思ったのだけれど、敢えてこっちにしてみた。同じ意味でも文章を変える事で、与えられる印象が変わるのは、日本語の面白いところだと思う。
昨今のオートフォーカスは精度も良く、それでいて一般人にも手に届く価格で普及しているこの時代にマニュアルフォーカスを使っている理由はなんだろうか?
オートフォーカスを敢えて使わない理由はなんだろうか?
私の場合、という限定的な話にはなるけれど、ふと自問自答したくなってみたので記事にしてみようと思う。
今回はカメラ機材やレンズの話では無いので興味のない方は読まない方がいいかもしれない。
時間潰しに読んでみようかなと思われる方は引き続きよろしくお願いします。


オートフォーカスとマニュアルフォーカスを比べて

まずは改まって、オートフォーカスとマニュアルフォーカスについてメリットデメリットを書き並べてみようと思う。
一般的な事ばかりだとは思うが、改めて考え直す事もたまには大事である。

オートフォーカスのメリット

①片手で撮影ができる。
②緻密なピント合わせが出来る。
③ピント合わせに1秒もかからない。

オートフォーカスのデメリット

①ピント合わせの精度はカメラ本体の性能に依存する。ピント合わせの精度を高めようと思うと使用するカメラの選択肢が狭まるのと、価格が高くなる傾向がある。

②事前にフォーカスエリアの設定が必要。最近は、自動認識機能もあるので、このデメリットはフォローされつつある。

③意図しない物にピントが持っていかれることがある。人物がたくさんいる場合、別の人物にピントが合ってしまう。最近は人物認識の機能が導入されつつあると思うので、これもそのうちフォローされていくとは思う。

④一部劣悪な環境下では、ピント合わせに掛かるが伸びたり、ピントが合わない時がある。光が少なく暗い環境等。


マニュアルフォーカスのメリット

①撮影者が好きな所にピントを合わせる事ができる。オートフォーカスでも出来るが、こちらの方がより直感的な操作で行える。

②オートフォーカスが使えない場面でも、ピント合わせが可能。被写体がせめぎ合ってる時や、暗い環境でもピント合わせが可能。

マニュアルフォーカスのデメリット

①カメラを支える手、ピントリングを回す手、両手で作業を行う必要がある。パンフォーカスやピントを固定したの時はこのデメリットは無くなる。

②撮影者の技量に依存している。ピント合わせ時の拡大等の機能はあるけれど、実際のところは人の手で合わせる為制度にはバラツキがあると言える。

③ピント合わせにかかる時間がオートフォーカスより遅い。ポーズを取ってくれた友人に「まだ〜?」と言われる事もしばしば。パンフォーカスや置きピンの時はこのデメリットは無くなる。


ちなみに、パンフォーカスは画面全体にピントが合うように絞りとピンと位置を合わせたもの。
置きピンは、先にピントを合わせておき、そこに被写体が来た瞬間にシャッターを切る撮影手法である。

マニュアルフォーカスしか使えないレンズが安いというのもメリットに入れようかなと思ったけれど、今回はあくまで撮影方法としての比較なので、省略させてもらう。



この2本は本当におすすめのレンズである。

マニュアルフォーカスを選ぶ理由

改めて、私が思い付くメリットデメリットを書き出してみた。これを見ると、マニュアルフォーカスを使う理由はないのではないか?と自分でも思う。
ここからは、メリット以外で、マニュアルフォーカスを好きな理由を書いていくとする。

①ピントリングを回すのが好き。頭が空っぽになったのかと思われそうだが、人間は単純な損得勘定だけでは動かないものである。あとは、手に馴染む感がするのはオートフォーカスよりマニュアルフォーカスのレンズの方だと思う。

②ピントを合わせている最中の気付きが好き。コレは伝わるかわからないけれど、ピントを合わせたり構図を決めたりしている時に、別の物にピントを変えた方が良く見える時がある。オートフォーカスでは見逃してしまうと思う。ファインダーを覗いていて、ピントの山が奥から手前、手前から奥へと動くこの瞬間が私は結構好きである。
シャッターを切るその瞬間ギリギリまで、被写体や構図と向き合えるのはマニュアルフォーカスだと私の中では思っている。

③意図していないピンボケが好き。100枚撮って100枚完璧な写真というのも良いのだが、たまには完璧で無い写真が有ると面白いと思っている。
業務的な写真ではまずあり得ないと思うけれど、私の用途である日常写真や何気ない写真にはちょうど良いのだ。
オートフォーカスでピントが合わない場合は、単純にストレスを感じるので、自分の手で合わせたピントがズレているのが許せるというのは不思議なものである。
カメラに付いた傷も、他人が付けたものは許せなくても自分が付けた傷は味だと思ってしまう感覚に似ていると思う。

まとめ

綺麗に撮れている写真だけがいい写真とは限らない。ピンボケの写真があったとしても、それを見て「この写真撮った時は酔っ払っていたよね」とか「これ撮った時は急いだけど、ピント合わせが間に合わなかったんだよ」とか笑い合えるのであれば、それは私の中では良い写真になるのである。


super takumarで撮影。
ピント合わせが間に合わなかった例。



真っ暗闇でもマニュアルフォーカスなら大丈夫。



つまり、まとめるとマニュアルフォーカスの方が撮影時の雰囲気を残せると私は感じていたのだと思う。
この記事を書くまではあまり気にはしてなかったけれど、写真に写る情報意外にも撮影者の意図が残し易いような気がするのである。
とは言っても、他人が撮った写真を見比べてわかるのか?と言われるとわかる訳ではないので、結局は自己満足である。



オートフォーカスを使わないというタイトルで記事にはしたけれど、荷物が多いお出掛け等ではオートフォーカスを使う事もある。
X10の様なコンデジだとなおさらオートフォーカスだけだ。それでも、X-PRO3に付けて持っていく事の多いのはVoigtlanderのマニュアルフォーカスレンズだ。
(このレンズの写りが良いという事もある)
たぶん、8割はこの組み合わせで持って行っていると思う。
M型ライカのようなマニュアルフォーカスしか使えないカメラならいざ知らず、レンズ交換式のデジタルカメラでマニュアルレンズばかり使うのは、カメラを買う前の自分からしたら想像付かなかったと思う。
不便なのにそれを自分から選ぶ理由というのはなかなか文章にするのは難しいと今回の記事を書いていて思った次第である。
オートフォーカスとマニュアルフォーカスはどちらが良いという事はなく使い分けになるんだけど、私がよく使うのはマニュアルフォーカスという記事だとご理解頂けたら幸いだ。

今回も読んで頂きありがとうございました。

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