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社会人1年目赤裸々日記

自分で言います。よくがんばりました!

令和4年4月1日から令和5年3月31日まで目紛しいったらありゃしない。


4月、混乱と絶望
なりたいものになれた喜びなんて消え去って、ただただ無心で、不恰好なおにぎりをラップに包む朝は辛い。何をしたらいいのか、何ができていないのか、どうして他の人たちは残っているのか、果たして帰っていいのか、ずっと緊張しながら座って残業100時間です。教育委員会のお偉方へ。新卒を担任にする制度辞めましょう。心と体が死にます。企業でいうところの、研修なしでいきなりプロジェクトを任されるようなものです。私のメンターって誰ですか?野放しプレイ。

5月、未知ゆえにみなぎる自信
とにかく何も分からないが、何とかなっている(気がしていた) 。「普段はぼさっとしてるけど、意外と仕事できるタイプなんじゃね?」と、自信が湧き出てくる。が、何も分からない。何もできていない。

6月、苛立つ
仕事量の多さに苛立ちが募る。日曜日に地域のソフトボール大会に選手として勝手に登録されていた日は憤慨、号外!火山噴火。ポジションはライト。苛立ちからかヒットを2本打った。怒りは人を奮い立たせると知る。了解しているつもりだったが、教職のブラックさに背筋が凍る。「日曜日楽しみやなあ」とほざきやがるドMがいる。変わりません。

7月、ひと安心
1学期を無事終えて、ひと安心。カラスが大群で飛んでくる夢か、ハゲ親父しかいない教室で寿限無を披露し続ける夢を毎日見る夜も消え失せた。ああ、何だか教室が騒がしいな、危険信号かな。まあ、大丈夫か、なんて楽観視。

8月、再来!ガングロ
部活!部活!部活!日焼け止め塗らな!部活!部活!部活!日焼け止め塗るの忘れた!部活!部活!部活!日焼け止め塗るのええか!部活!部活!部活!見事、ガングロ成人女性です。

9月、疲労
うまく子どもたちをのせることができずに、体育大会不完全燃焼。宿泊訓練、1泊2日。琵琶湖大荒れ。筏体験中止、代わりに笛作り!何がおもろいねん!キャンプファイヤー中止、代わりに部屋で静かに過ごしましょう!可哀想だね。エネルギー消費機会を奪われた中学生は寝ない!我が睡眠時間1時間!全国の中学生へ、宿泊行事は早めに寝てください、お願い申し上げます。

10月、限界
なんだか、急に限界がきた。辛い辛い辛い辛い苦しい苦しい苦しい。それでも止まれない休めない。助けを求めたくても、周りも疲労困憊、人手不足。これは無理です。1日だけベッドから起き上がれない朝があった。ずっと泣いてたなあ。次の日、「先生!どうしたん?来てくれてよかった!」という貴方たちの言葉に救われました。合唱コンクールはトラウマです。君たちは「先生、本番前日の練習の歌聞いて泣いてたよな!早すぎるて」と何だか嬉しそうに誇らしげに言っていましたね。それは「やっと明日で終わる」という涙だったことは口が裂けても言えません。

11月、無から覚悟を決める。
先月の闇を引き摺る。とにかく行きたくない。それだけだった。淡々と授業をこなし、ついには荒れ始めた自分のクラスを見て見ぬふりをしていた。「どうして初任の私がこんなクラスを持たされているのか」と行き場のない怒りをずっと抱えていた。ずっと辞めたいと思って君たちの前に立っていた。「憧れの先生になりたくて‥‥」と爽やかに語る実習生を馬鹿にしていた。心の限界。しかし、真面目に頑張る君の辛そうな表情を見たときに、ハッと我に返る。いつかの「先生が困る生徒は、困っている生徒」という言葉を思い出す。このままじゃあかん!!!

12月、必死
うざがられてもいい、とにかく話をしよう。
そうすると、毎日、当たり前のように浴びせられる「死ね!」や「キモい」「うざい」が、「助けて」「こっちを見て」に聞こえるようになった。助けてくれる子どもが増えた。無我夢中で君たちの声に耳を傾けた。朝、教室に入るときに笑えるようになった。明るい声で「おはようございます」と言えるようになった。そんなときにコロナに罹患した。全てが泡になって消えてしまう気がした。自分を責めた。ただでさえ新卒はお荷物なのに、また迷惑をかけてしまった。心が落ち込んだ。復帰の日、黒板にわたしの似顔絵とおかえりの文字があった。少しだけ報われた気がした。大雪の中、良いお年を、と言って2022年はおしまい。

1月、一瞬で過ぎ去る
「3学期は一瞬やで」と学年の先生方に言われていたけれど、ほんまかも?!!「20代はあっという間やぞ、遊べよ!」的なことを言うおじさんの戯言かと思っていた。ああ、走れメロス楽しかったなあ。

2月、一瞬で過ぎ去る
「3学期は一瞬やで」と学年の先生方に言われていたけれど、これはほんまやな!クラスの横のつながりが増えていて嬉しい。ここにきて新たな一面や良いところも見つかる。え、あの子とあの子が楽しそうに話してるやん!!とか、あの子のあんな表情初めて見た!!とか、へー、この子はクラスでこういうポジションやったんや!とか。クラス1の荒くれ者が欠席者のプリントを綺麗に折りたたんで整理していた場面を見たときはパンダが目の前ででんぐり返しをしてくれたあの時よりも嬉しかった。

3月、解散
寂しい。「朝読書しなさい!」と怒る朝がもうなくなるなんて、寂しい。「さっきの授業でさ、〇〇先生が~って言ってたでな!」「そうそう!それは〇〇が~って言ったからやろ!」なんて午前中の出来事をクラス全員で話す昼休みがなくなるなんて寂しい。「サボるなーー!!」と追いかけ回す掃除の時間がなくなるなんて寂しい。「机の角を線に合わせるよ」と叫ぶ終礼がなくなるなんて、寂しい。辛くて投げ出してしまいたいときもあったけれど、というかそんな記憶ばかりが蘇るけれど、楽しくて幸せな日もあった。
君たちがわたしを先生にしてくれました。そんな話をして、解散です。


これがわたしの社会人1年目赤裸々日記。
人に恵まれた1年だった。
最初は誰も助けてくれないなんて悲劇のお姫様気取りだったけれど、そんなことなくて常に誰かに支えられて、誰かに救われた1年だった。合唱コンクール当日。全てが限界だったわたしに気づいた先輩が飲みに連れて行ってくれた。あの夜がなければ、わたしは全てを諦めていたと思う。

これからも人と繋がっていたい。
子どもと生きていきたい。

不器用でも、諦めずにムキにならずに気取らずに、2年目もやっていこうかな、と今思っている。

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