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【その3】40年以上ビジネスをやってきて、なにがうれしかったか?

【その2】の続きになります。
(3)HID(高圧水銀灯)ランプの普及(車用の電球)

ちょっとマニアックな話題ですが、お許しください。

このHIDという電球に関しましては、青白く明るくかつ寿命が長い、と言うメリットがあるものの、今までの電球に比べて「放電現象」を利用したものですから、高電圧を発生すると言う性質上、高額になりかつ非常に扱いづらいものがありました。

性能チェックや、耐久テスト等は5分や10分で終わるものではありませんので、一度テストが始まると、何百時間、何千時間と時間を要するものでした。

夜を徹して耐久試験をする大変なものなので、あるお客さんのところでは、この電球の担当になると必ず人が死ぬと言われたものでした。

実際、真の原因は分かりませんが、亡くなられた方も実はいらっしゃいました。(合掌です)
そんなことで、この製品は「生みの苦しみ」を伴うものでしたので、1996年に初めてこの製品を世の中に出した時は、非常に嬉しいものがありました。初めての納入のときには、お客さんと万歳三唱して喜んだものでした。

また社会のために役立つと言う観点から言うと、夜に道を歩いていて、
前から来る車が「あっ、あれはうちのHID電球がついてる車だ」などと
わかると、嬉しくなります。そんな車が、次から次へと来ると、嬉しさも最高潮になります。

次から次へと来るということは、世の中にどんどん普及しているという
ことになります。従来のハロゲン電球の30倍もの価格のするものが、
どんどん売れていく、これほど嬉しいことは、ありません。

これで、家人や子供たちにも誇れることになります。
まさに、地図に乗る仕事に近い感じです。

閑話休題、
そんなことで、ビジネスはいつもFunでやっていますが、社会のために
役立っていると思うと、会社の仕事だということを忘れて、自分の仕事
だという気持ちになってくるのです。



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