見出し画像

仕事術7:「北斎」の境地には、いつ達せられるか?凡人には無理か、その向上心は?

筆者は芸術を学んだ経験上、「江戸木版画」にとても興味があります。

「すみだ北斎美術館」にも幾度となく足を運んでいます。

過去には、島根県立美術館「北斎コレクション」などを訪れ、北斎を堪能しました。
実は、以前六本木でも「新・北斎展」が開催されたことがあり、足を運びましたが入場1時間待ちの表示があり、他の用事もあったので断念して帰ってきました。

北斎、版画関係の本も、何冊か購入しました。
北斎以外では吉田博氏の版画も、コピーですが額入りで壁に飾っています。
ダイアナ妃の執務室にあった、あの有名な版画です。
とても版画とは思えないほど、透明感があり秀逸です。

吉田博 「瀬戸内海集」 『光る海』(1926年)自室の作品を撮影 2024.5.30

北斎に、何を、なんでそこまで?という疑問を持たれるかもしれませんが、
創作された圧倒的な量と質の作品、印象派のモネ、ルノワール、ドガ、
ピサロ、カサットらや、アールヌーボー、ジャポニズなどにも影響をあたえたその凄さは、他の画家とは比べものになりません。

しかしながら、私が惹かれるのは作品だけではなく、その向上心や前向きな姿勢です。

描くことに妥協をしない姿勢です。

これぞプロを地で行く芸術家です。

北斎研究の第一人者でありコレクターの「永田生慈」著の
『もっと知りたい葛飾北斎 生涯と作品』の冒頭には、以下のように
書かれています。北斎の人生観でしょう。


精進し続ければ八十歳でますます向上し
九十歳になればさらに奥意を極めて
百歳でまさに神妙の域を超えるのではないだろうか
百何十歳となれば一点一格が生きているようになるだろう

更には、死の直前(九十歳のころ)に、
あと十年、いやせめて五年生かしてくれ。
そうすればまことの絵描きになってみせる!

と言ったそうです。

なんたる、向上心。
この控えめさに感服です。

自分の作品をまだまだ極めていないと考えていたのでしょう。
「北斎漫画」は53歳、「富嶽三十六景」は72歳にして描き始めたと言います。

私などは、まだまだその域には達しているわけもなく、日々精進するのみであります。

頑張りましょう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?