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なぜそのお店は繁盛しているのか?その2

「その1」では、繁盛しているお店について、「トイレ」の話題にからめて
話しました。

実際に繁盛しているお店には、もちろんトイレ以外の要素もあります。

サービス業は自分の生活に密着していますので、特別の関心があります。
自分の仕事(営業活動)へ参考にもなります。

以前、下の本を購入し(少し古くなりましたが)、一店一店時間をかけて訪問したことがあります。この本は、単なるお店の紹介ではなく、お店のテーブルなどの配置図、客単価、売上情報など、仕事にも参考になるようなことがたくさん載っていました。

残念ながら閉店してしまいましたが、「オレ達の地鶏屋」というお店が、
浜松町から徒歩7分くらいの路地裏にありました。

繁盛店の理由を探るという観点で、このお店を紹介します。
まず、一番は何かというと、

・店員さんとオーダーを決める会話がすごく楽しい

ことがあげられます。
通常は、こちらがメニューを見ながら考えていると、店員さんが
「早く決めろよ」目線を送ってきます。
そして、メニューの内容を聞いてもほとんどの場合答えられないか、
他の店員さんに聞くというパターンが多いです。

でも、この店はこんな感じのやりとりがあります。

私:「今日は何が美味しいですか」
店員さん:「宮崎から仕入れた、〇〇鶏の生レバーが美味しいです!オリーブオイル塩で食べたら最高です」
私:「へー、他には?何が美味しいですか」
店員さん:「あとは、ネギ舌塩とか、黄身を付けて食べるツクネですね。
これも逸品です」
私:「じゃあ、今の3品お願い」
店員さん:「はーい、わかりました」(お店に注文を入れる)
このへんで、たいがいは「もう注文はいいですか?」シグナルがでますが、
ここからはこの店の真骨頂です。
私:「こちらって、焼き鳥とか焼いている人が3人もいるの?」
店員さん:「そうなんですよ。3人のオーナーがいるんです。
一番端にいる人が、真ん中のオーナーのお母さんです」
私:「そうなんだ。であなたは娘さん?」
店員さん:「いえ、普通のバイトです」
私:「バイトなの?よくメニューのこと知っているね?」
店員さん:「メニューは、いちおう全部試食しています」
私:「驚きだね」
店員さん:「知らないと、説明できませんから。お願いして試食させて
もらっています」
私:「偉いね!」
店員さん:「ありがとうございます!」


オーダーしたものが、食べ終わると
店員さん:「なんか締めの食べ物はいりませんか?」
私:「何が美味しい?」
店員さん:「味噌焼きおにぎりがおすすめです!」
私:「じゃあ、それ!」
店員さん:「了解しました!お飲み物はいいですか?」
私:「じゃあ、ビールもういっぱい」
店員さん:「はーい!ありがとうございます!」

ここまでで、わかりましたか?
注文することが、こんなに楽しいお店はありません。
コミュニケーションの楽しさですね。

このお店に何度も着たくなる理由のが、もう一つあります。

お店のレイアウトが単一ではなく、来るたびに「違う店に来た」
という感じがするのです。
カウンター、屋根付き部屋、大人数(10人)がはいれる座敷、
屋根裏のような半個室・・・
来るたびに新鮮、ということですね。

その後、彼女を富士スピードウエイのレース会場で見かけました。
焼き鳥を焼いていた男子店員さんと一緒でした。
「今度結婚するんです!」と彼女は言っていました。
あんな素敵な人を放っておかないですよね。

楽しい会話、愛嬌、愛想、必要な要素です。








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